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【完結】愛しのバディ~本能は仕事してた  作者: buchi


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第23話 口説く

「え?」


アーネスティンの紫がかった青の目がジェラルドの顔を見た。


「君の婚約者だ」


どういうつもりかわからないが、アーネストが逃げようとしたので、がっちりホールドした。


腰、こんなに細かったっけ。うふ。


「どこへ行くの? 今日は婚約者のそばにいなくちゃダメなんだよ?」


「ええと、あのう……お腹こわした」


「嘘」


アーネストにしては下手な嘘だ。

たいていは、もっと巧妙な嘘を思いつく。


「あなたを大切にする。大砲の研究の邪魔もしない。それどころか、助けるよ」


ジェラルドは、アーネストの細い指を握ったまま離さなかった。アーネストが困っている。


「この俺を蹴飛ばすとは。覚悟しろよ」


足元から声がした。


「ピーターソンじゃないか」


ジェラルドは気付いた。


「あ? え? ジェラルド? お前、男色じゃなかったのか。平民娘に興味があったのか」


返す返すもロクでもない。しかし、ジェラルドは青筋を立てながらも、ニコリと笑った。


「俺の婚約者を紹介しよう。ダグラス公爵令嬢だ」


婚約者を紹介……鳩尾(みぞおち)あたりがもぞもぞするぞ。


「マリー・アメリー・アーネスティンでございます」


細い声でアーネストが自己紹介した。おお。令嬢らしい。かわええ。


「ピーターソン、人の婚約者に何をしようとしたんだ。知らなかったと思うので、今夜の無礼は許してやる」


お前、さっきアーネスティン嬢に声かけたろ! かわええと思って!


こーんな美しい令嬢の顔に穴を開けてやるとか物騒なこと言ってたよな!


だが、こんなやつに構ってる時じゃない。


「一曲踊っていただけますか? アーネスティン嬢?」


アーネスト、固まってるけど、大丈夫かな?


小さな手を引いて、いかにも自然にホールの真ん中あたりに立つ。


伯爵家の嫡子と公爵令嬢だ。


しかも彼女は、これほどまでにかわええのだ。ジェラルドは、胸がいっぱいになった。


音楽が始まる。ジェラルドの手の中の小さな手が震えているようだ。

ダンスって、なんて素敵なんだ。独り占めできるなんて嬉しすぎる。


「アーネスティン嬢。婚約者だったから、バディになったのですよ」


優しく語りかける。舎監の先生は、「え? 婚約者なの?」 とか言ってたけど、それは無視だ、無視。


「あなたの側に侍れて幸せです。これからもずっとよろしく」


愛しています。とは言えなかった。反応怖い。


「こんな都合の良い夫はいないでしょ? あなたの卒業か、退学を待って、結婚しましょう。俺は必ず出世します。それとですね」


蛇の悪知恵とはこのことか。


「ぜひとも、新種の大砲とやらの実効性を見せていただきたいですね」


ん? とばかりに、めちゃくちゃ戸惑っていたアーネスティンが目を上げた。うお。かわいい。


「その重火器、導入しますよ? 有用ならね。もっともっと良く、時間をかけて俺を納得させて欲しいと思っています」












ジェラルド、語彙不足。食レポさせたら、うまい! しか言わないタイプ。

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