『かってに改蔵』(日常系?漫画)
俺は、改蔵。自称・天才発明家にして、世界の真理を見抜く者——だったはずだ。
ある日、事故で死にかけた俺は、謎の美少女・名取羽美に命を救われる。だがその代償として、俺の脳内には“陰謀論”という名のウイルスが植え付けられた。以降、俺の目に映る世界はすべて「裏がある」。教師は洗脳済み、クラスメイトは政府のスパイ、そして校舎の屋上にはUFOが常駐している。そう、俺はこの世界の“真実”を暴く者となったのだ。
だが、俺の戦いは孤独ではない。羽美——彼女は一見すると清楚系文学少女だが、その実態は破壊衝動とサディズムに満ちた“闇属性ヒロイン”。彼女の笑顔は、俺の精神を破壊する毒であり、同時に唯一の癒しでもある。さらにクラスメイトの地丹や、常に何かをこじらせている他のクラスメイトたちも加わり、俺の周囲はカオスと化す。
この物語は、学園を舞台にした陰謀論ギャグコメディでありながら、実は“自我の崩壊”と“存在の再定義”を描いた哲学的寓話でもある。豚化萌え的には、羽美の「可愛い顔して人間を壊す」系ヒロイン属性が最高に刺さるポイント。さらに、主人公が自意識過剰でありながらも、時折見せる繊細な感情の揺れが、読者の共感と笑いを誘う。
『かってに改蔵』——それは、世界の裏側を暴こうとして、逆に自分の心の闇に飲み込まれていく少年の物語。
そして、ヒロインに物理的にも精神的にも破壊されながら、それでも彼女を愛してしまう“業”の物語。
笑いながら、ちょっと泣ける。
壊れていくのに、なぜか癒される。
そんな奇跡のバランスが、この作品にはある。
豚化萌えの感想
なるほど陰謀論か・・・(^_^;)
当時はそういう視点で見ておりませんでしたが、確かに陰謀論的な妄想に主人公が支配されていると言われてみれば、そんな気もします。大人になった現代において初めて読んだりした場合には、ハマらなかったかもしれません。でもあの時の年代だからハマった!?
ハマるかどうかってタイミングも重要ですよね。
知る人ぞ知るレベルに有名な作者です。作品としては絶望先生とかが一番有名のような気もしますが、『かってに改蔵』も味わい深いです。
『かってに改蔵』。いろいろ調べてみるとアニメ化もされていたようですが、私は漫画時代しか知りませんので。
最終回の終わらせ方は、嫌いじゃないです。