『機動戦士Vガンダム』(アニメ作品)
『機動戦士Vガンダム』――それは、少年が戦場で泣き、少女が祈り、世界が壊れていく物語。
宇宙世紀0153年。地球連邦は腐敗し、もはやその名だけが残る亡霊のような存在。代わって台頭するのはザンスカール帝国――宗教と暴力を手にした新興勢力。彼らはギロチンを掲げ、民衆を粛清し、地球を支配しようとしていた。
そんな世界に生まれた少年、ウッソ・エヴィン。年齢、わずか13歳。だが彼は、ヴィクトリーガンダムという名の機械の神に選ばれ、戦場へと引きずり込まれる。
「戦争って、こんなに冷たいのか……」
ウッソは泣く。笑う。叫ぶ。だが、戦場は彼に優しくない。敵は容赦なく襲いかかり、味方は次々と死んでいく。幼なじみのシャクティは祈る。彼女の祈りは届かない。カテジナは変わる。彼女の瞳は冷たくなる。
この作品は、ただのロボットアニメではない。いや、むしろロボットは舞台装置に過ぎない。描かれるのは、人間の狂気、愛、そして絶望。富野由悠季という名の魔術師が、子どもたちを戦場に放り込み、視聴者の心をえぐってくる。
「子どもが戦争をしてると、みんなおかしくなってしまう」
敵兵の言葉が、あまりにも重い。そしてその通り、登場人物たちは壊れていく。精神的に、肉体的に、社会的に。だが、それでも彼らは戦う。なぜなら、それしか選べないから。
ヴィクトリーガンダムは分離合体する。V2ガンダムは光の翼を持つ。だが、それらの美しさは、戦場の血と涙にまみれている。モビルスーツの性能がどうこうではない。乗っているのは、まだ夢を見ていたはずの子どもたちなのだ。
そして、最終回。ウッソは生き残る。だが、何もかもを失った瞳で、ただ空を見上げる。その空は、青い。だが、青さが痛い。
『機動戦士Vガンダム』――それは、視聴者に「見てはいけないもの」を見せてくる作品だ。だが、見てしまった者は、もう戻れない。この痛みを、忘れられない。
豚化萌えの感想
ヤバイ、何だこのほぼ完璧な作品紹介は(^_^;)
豚化萌えが感じていることをかなり高い精度で言語化している。
ガンダムという作品ですので、登場人物がそれなりに死にまくるわけです。もちろん戦争なので仕方ありませんが。他のガンダムシリーズよりも、死に方などが心揺さぶられる感じです。だから見てて辛くなる回もあった気がしますが、それはそれで。
先程書いた『妄想代理人』同様、本編の内容に疲れたら、オープニングの歌と映像をループして楽しみまくるのも良いです。




