表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

吃音症の高身長バレー部ちゃんを痴漢から助けたらめちゃくちゃ懐かれる話



タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……(電車が走る音)



……あ。


あ、あの。


や、止めて、止めてくださ……。



パシッ!(痴漢の手を叩く音)



え?




タタンタタン、タタンタタン、タタンタタン……(電車が走る音)



……あ、あの、た、助けてくれて、あり、ありがとう。


え?ち、痴漢に逃げられちゃって、ご、ごめんって?


う、ううん、そ、そんなことない。た、助けてもらって、う、嬉し、かった。


……………。


え、えと、確か君、同じクラスの人……だよね?


ご、ごめんなさい、わ、私、まだクラスのみんなの名前、お、覚え、きれてなくて……。


で、でも、もう大丈夫。君のは、ぜ、絶対、覚えたから。


あ、あの、言葉、おかしくて、ご、ごめんなさい。わ、私、生まれつき吃りが酷くて……。


ひ、人と話すの、得意じゃないし、あ、ああいう風に嫌なことされても、ちゃ、ちゃんと嫌って、言えなくて……。


バレー部の先輩とかも、最近……お、怒らせること増えちゃってて。わ、私ってほんと……身長がおっきいだけの、で、木偶の坊なんだ。


き、聞き取り辛くて、ご、ごめんね。イライラ、しちゃうよね。ひ、筆談にしようか?そ、それなら、き、君も、話しやすいだろうし。


……え?き、気にしなくて、いい?


ゆっくりでも、話して、くれて、いい?


……あ、ありが、と。


そんな風に、言ってもらえたの、は、初めて。


き、君って……あの。


や、優しい……ね。


………………。


……あ、あの!


えっと、その、これは、何て言うか……い、嫌じゃなかったらでいいんだけど……。


わ、私と、おと、お友だちに、なって……くれ、ませんか?


いや、あの、私……まだ高校でお友だちできてなくて。そ、それで、もしよかったら……その、お友だちになってくれたら、いいなって。


ほ、ほんと?あり、ありがと。


そ、それじゃ、あの、こ、これから、どうぞ、よろしく……ね。







キーンコーンカーンコーン(学校のチャイムの音)



あ、あの。


お昼のお弁当って、だ、誰かと、約束、してる?


よ、よかったら今日も……一緒に、食べたい、な。


ほ、ほんと?あ、ありがと。


つ、机、くっつけても、いい?



ガタガタ、ガタンッ(机を移動させる音)



え、えへへ。こ、高校で、お友だちとご飯。や、やっぱり、う、嬉しいな。


え?き、君、今日もお弁当、パン二つ、だけ?そ、それだけで本当に足りるの?


わ、私のおにぎり、少しあげるよ。だ、大丈夫、私、おにぎり10個持ってきてるから。


は、ははは、身体おっきいから、ご飯、たくさん食べるんだよね。いつも、部活の後に食べるんだ。


は、はい、どうぞ、二つあげる。


う、ううん。気にしないで。だ、だって……えへへ、お、お友だち、だもん。


そうだ、君って、部活はどこに入ってるの?入ってない?そ、そっか、帰宅部なんだ。


じゃあ、わ、私も、バレー辞めちゃおっかな。え?だ、だって、一緒に帰りたいし。


だ、だめ……かな?


ほ、ほんと?よかった、嬉しい。


うん?少し、待ってて欲しい?いいけど、ど、どうかしたの?


人に呼ばれてる?そ、そっか、じゃあ下駄箱で、待ってるね。





キーンコーンカーンコーン(チャイムの音)



あ。お、おっす!なんて、ね。えへへ。


ず、ずいぶん遅かったね。大丈夫だったの?


あ、ううん。怒ってるわけじゃなくて、し、心配だっただけで。


と、とりあえず、帰ろっか。



……と、ところで、その、さっきはだ、誰から、呼ばれてたの?


お、女の子?へ、へえ、そうなんだ。


……その子は、えっと、何の用で……呼んだの?


…………。


……え?


こ、こくは、く?


告白、されたの?


……そ、そっか。凄いね、さすが私の、お、お友だち、だね。


う、ううん、そんなことない。凄いよ、君は。


だ、だって、私みたいな人とも、お、お友だちで、いて、くれるんだもん。


君のこと、好きになる人がいるのは、あ、当たり前……だよ。


………………。


……あの。


じゃ、じゃあ……もうその子と、つ、付き合う……の?


え?こ、告白は断った?好きな人が、いるから?


そ、そっか。


……そう、なんだね。


………………。


え?わ、私?


私に、好きな人がいるのかって?


……う、うん。好きな人、いる。


ど、どんな人かって?


……そ、その人は、ね。


…………ち、痴漢から、助けてくれて。


私が吃音なこと、笑わないで、いてくれて。


わ、私なんかと……。


お友だちで、いて、くれる……人。


………………。


うん、そ、そうなの。


と、友だちになりたいって言ったのは、ほ、本当は、口実で。


た、助けてもらった時から、わ、私……ずっと、君のこと……。


…………。


ご、ごめん、ね。


め、迷惑、だったよね。


私なんかと、お、お昼休み、無理やり付き合わせちゃって、ごめん、ね。


わ、私、も、もう……君には声を、かけないように……。


え?き、君の好きな人の話?


え、えっと、あ、あんまり、き、聞きたくないかも……。


う、うう、分かった。ど、どんな人……なの?


……言葉が吃ってるけど、や、優しくて?


し、身長が高いのを気にしてて、可愛くて?


バレー部で、頑張ってる人で?


……い、今、め、めめ、目の前に……いる、人?


…………。


あ、あの。


あのあのあの。


そ、それ、あの、えっと、あの……。


そんな、私……ゆ、夢みたい。


や、やだ、顔見ないで。は、はは、恥ずかしい……から。


……う、うう。


す、すす。



す、き。



好き、だよ。


わ、私も、君のこと、好き……。だ、だい、す、き。


う、うん。


じゃ、じゃあ、友だちなのは、も、もう、おしまい、だね。


これからは、こ、恋人として……一緒に、いよう、ね。


あ、あの、お、お手々、繋ぎたい、な。


え、えへへ、う、嬉しい。


そ、それじゃ、あの、こ、これから、どうぞ……



よろしく……ね。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ