表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

一緒にエレベーターに閉じ込められた白髪クール美少女を助けたらデレデレになった




チーンッ

(エレベーターが開く音)



あっ。


えっと、確かあんた……同じクラスの。まさかこんなとこで会うとは。


あ、降りるの一階でいい?


はいはい、ボタン押しとく。



ウイイイイイン……

(エレベーターの動く音)



それにしても、なに?あんた、一人でこのショッピングモール来てたの?


へ~、本を買いねえ。


さ、参考書?はー、なんか真面目な奴。


アタシ?アタシは由梨花たちとカラオケ行ったり、タピオカ買ったり、そういうの。


楽しそうでいいねって?まあ、そうね。それなりには。


でも、最近ちょっと……マンネリっていうか、こう、新鮮味がなくなっちゃって。


話すこともさ、やれ自分の彼氏がカッコいいとか、この前のデートがどうとか、そういうのばっかりで。正直、辟易してんだよね。


ぶっちゃけさ、アタシ、恋愛にあんま興味ないんだよ。


だって、めんどいじゃん。逐一連絡しないとキレられたり、毎日デートしないと寂しがられたりするし。


アタシはさ、いつも自由でいたいわけ。自分の時間を大事にしたいし、自分のペースを守りたい。だから独占欲出されるとうざくてしょうがないわけよ。


だから、由梨花たちの恋愛話聞くのも、疲れちゃってさ~。だって、興味ないことを延々と話されても、きついっしょ?友だちだから、一応は聞くけどさ~。


あーあ、退屈退屈。なんか面白いこと、起きないかな~。



ブー!ブー!ブー!

(スマホの通知音)



わっ、びっくりした。なに急に。


……緊急地震速報?


ふーん、地震ねえ。


…………。


あっ、ほんとだ、揺れてる。


…………揺れてる、わ。


でも、待って。これ、まあまあ……でかく、ない?


ちょっと、ちょっと待って。や、やばくない?


待って待って待って!これ、やばい!めちゃでかいって!


…………。


お、終わった?はあ……。もう、マジびびっ……。


きゃあっ!?


な、なに!?いきなり、電気消えたんだけど!


も、もしかして、エレベーター……止まっ……た?


う、嘘でしょ?じゃあ、アタシら……閉じ込め、られたの?


い、いやいや、まさか。そんなわけ。開くでしょ、さすがに。



カチッ

(ボタンを押す音)


…………。


ね、ねえ。なんで開かないの?


ねえ、マジで冗談よしてよ。ほんと洒落にならないから。


カチッ カチッ


ねえ!ねえってば!ほんと勘弁てよ!


カチカチカチカチッ!


もう~~!なんで動かないの!このっ!このっ!


なに!?落ち着けって!?こんな状況で落ち着けるわけないじゃん!アタシら、閉じ込められたんだよ!?


ねえーえぇ!マジでムリ!怖いって!ねえ!ねえってば!


はあっ、はあっ、はあっ!


…………。


な、なに?


なんで、アタシの背中撫でんの?


深呼吸しろって?んなこと言われても……。


さ、酸素がなくなる?


息を荒げると、酸素がなくなるから、呼吸を落ち着かせろって……?


……分かった。


す、す~、は~。す~、は~。


…………。


うん、ちょっと、落ち着いた。


なんか、ごめん、取り乱して。


なんであんたは、そんな冷静なの?


……自分が慌てると、アタシが不安になるから?


……ふーん。あんた結構、肝座ってんだね。


………………。


なにしてんの?


緊急連絡のボタン?あ、ほんとだ。確かにエレベーターについてる。


ちょっと、押してみてよ。


…………。


繋がんない、か。


ねえ、マジどうしよう。


アタシら、ちゃんと見つけてもらえんのかな。


こ、ここで死んじゃったら……どうしよう。


見つけてもらえなくて、酸素もなくなって……。


ね、ねえ、どうしたらいい?あ、あんた、なんか考えてよ。


……電話?


電話って、誰に?友だちとか親にってこと?


あっ、ほんとだ。ボタンの近くに、緊急時の連絡先が書いてある。お、お願い、電話して。アタシ、上手く説明できる自信ない。


うん、ごめん。


…………。


む、向こうはなんて?


え!?助けに来てくれるって!?


よ、よかった……。ほんとよかった……。


うん、そうね。とりあえず、待つしかないね。


口呼吸じゃなくて、鼻呼吸?そっちのが酸素を消費しない?


へー、さっすが参考書買うガリ勉なだけあって、そういうのよく知ってんね。


わかった、ちょっとそれ、意識してみる。






…………。


はあ、あっつい。


もう、よりによって夏に閉じ込められるの、きついね。


制服も、汗で透けちゃってるし……。


あ、ちょ、ちょっと、こっち見ないでよ。恥ずかしいから。


……由梨花たち、無事かな。


地震あったし、何もないといいけど。


え?なに?


ア、アタシが優しいって?


なに?急にそんなこと。


……いや、そりゃ、友だちだし。めんどいなと思うこともあるけど、一緒にいるの、楽しいし。


全く、あんたって、変な奴だね。突然そんなこと言い出すとか。


……………。


……ねえ、まだかな。


まだ来ないかな。


だって、もう電話してから15分も経ったよ?そ、そろそろ来てもおかしくないのに。


も、もし、このまま、忘れられちゃったら……。


だ、大丈夫?なんでそんなこと、言えんの?


……僕が、いるから?


僕がなんとかするから、大丈夫だって?


…………。


なんか。


あんたって、やっぱり……変な奴、だね。


違うって、からかってない。


……褒めてんの。




ピリリッ、ピリリッ、ピリリッ

(着信音)



な、なに?電話?誰から?


え!?もう助けに来てるって!?


なになに?場所を知らせて欲しいって?わ、わかった!よーし!


おーーーい!!ちょっとーーーー!!ここここーーー!!


あ、そっか、ごめん。叫ぶと酸素なくなるよね。


え?なに?参考書?あー!参考書で扉を叩くわけね!


よいしょっ!よいしょっ!よいしょっ!



ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!!

(扉を激しく叩く音)



あっ!!


電気がついた!復旧したんだ!



チーンッ

(エレベーターが開く音)



ひ、開いた!


やったーーーー!


ううっ!よかったー!もうマジでよかったー!


あ、ありがとう……。あんたのお陰で、アタシ、助かったよ……。


ううん、違うよ。あんたがいなかったら、絶対アタシ、パニクって死んでたもん。


あんたは、命の恩人だよ。


大袈裟なんかじゃない。ほんとに、そう思うから。


ずっと……安心、できたし。


…………。


……ね、ねえ。


あんた、連絡先、えっと、教えて……くんない?


そ、その、今度、あの、カラオケとか、一緒に行きたい……かなって。


え?な、なんでって、それは……。


つ、つまりさ、アタシ、アタシ……。


もう……あんたなしじゃ、いや、かも。











……キーンコーンカーンコーン

(チャイムの音)



それでさ由梨花、その時にね、あいつがアタシのこと落ち着かせてくれてね。


そう、背中擦ってくれたの。優しいよね。


それからね、あいつめっちゃ頭いいからさ、エレベーターに閉じ込められたら、鼻呼吸がいいよって教えてくれてさ。


しかも、しかもね。アタシが不安になってたら、『僕がなんとかするから大丈夫だよ』って言ってくれてさ。


もう、ほんとカッコいいよね。アタシ、心底凄いなって思って。マジでさ、アタシにとってのヒーローって感じでさ。


え?もう何回も聞いたって?やだよ、もっと聞いてよ。


あっ!?おーい!ちょっとあんたー!


えへへ、やっほ。うん?何してたのかって?


あんたの話を、由梨花たちにしてあげてたの。


そうそう、エレベーターに閉じ込められた時の。


えへへ、うん。あの時の話するの、アタシ好きだからさ。


あっ、そうだ。ねえ、今日もまたデートしようよ。


昨日もしたじゃないかって?やだよ、毎日したいの!


うん、またショッピングモール行こうよ。あんたとカラオケしたい。そうだ、また欲しい参考書があるって言ってたじゃん?それも買いに行こうよ。


ん?なに?


え?放課後に担任の林田先生から面談に呼ばれてるから、ちょっと遅れるって?


わかった、じゃあアタシも一緒に行く。


やだよ、だって女の人じゃん、林田先生。


あんたが他の女の人と二人きりになるのなんて、耐えられない。


あんたが二人きりになっていい女の子は、アタシだけ。そうでしょ?


も、もー、意地悪言わないでよ。


確かに昔はさ、自由でいたいって思ってたけど、今は違うんだって。


自由なんてどうでもいいから、あんたと一緒にいたいんだって。


ね、お願いだから、いつまでもアタシの隣にいて。


ずっとずっと、安心させて。


だって、アタシはもう……。




あんたなしじゃ、生きていけないんだから。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
よきよき
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ