第2話『UNKNOWN②』
神殿の中は広く、ロビーには多くの人がお祈りなどに来ていた。
シルバは受付で話しを済ませ、コウと共に奥の聖堂へと向かう。
「コウ様ですね?適正職の義はまもなく執り行われます。奥の椅子に腰掛けお待ちください」
聖堂の入り口にて、聖職者の1人から案内され、コウは椅子に座る。
コウが周りを見ると、様々な種族の子供達が同じ様に座り、保護者であろう大人達が後ろで見守っていた。
(なんか、授業参観みたいになってきたな・・・)
今の自分は子供なのだから気にする必要はない・・・と、自分に言い聞かせはするが、やはりどこか気恥ずかしさが残る。
「それでは、皆さま。ただいまより適正職の義を執り行います。名前を呼ばれた方からこちらにお越し下さい。この神の遺産に触れると、この水晶に適正職が表示されます」
適正ジョブを確認する為の神の遺産は、巨大な水晶体の前に台座があり、台座には人の手を模った天板が設置されていた。
次々と呼ばれる子供達が、天板に触れていく。
水晶から適正ジョブが表示される度に周りの大人達も騒がしくなる。
喜びで叫ぶ者、嬉しさの余り泣き出す者、落胆する子供もいたが、あくまで適正でしかない事実に大人達は冷静だった。
(よく見る異世界系は、この時点で格差が出るって流れが多いけど・・・ここじゃぁ、それも無いかな)
適正ジョブと選択ジョブは違う。
特殊ジョブは別だが、適正ジョブが何であっても好きなジョブは選べる。
(その辺りも神様の配慮ってやつなのかな・・・)
そこでコウは気づく。
自身が既に創成者のジョブを持っている事を。
(そうだったぁ!!何の為にステータスを隠してたんだ俺は!このままじゃこんな多勢にジョブを晒す事になる!今更帰るなんて言えない・・・)
すっかり忘れていたコウは、アレコレと考えるが答えは出ず、非情にも順番が着実に回ってきた。
「コウ様」
「うぇっ!?いゃ、はい!」
思わず声が上擦り余計に周りの視線を集める。
何の対策も思い浮かばず神の遺産の前まで来たコウ。
創成術を使う事も考えたが、神が生み出した物に効果があるかわからない。
最悪なのは、書き換えなどの効果を発動した際に防衛機能として神の遺産が破壊、あるいは機能停止してしまう可能性がゼロではないと言う事だ。
どんな事が起きるかわからない以上、チートを使うわけにはいかない。
「手を」
促されるまま、右手を置く。
読み込む様な淡い緑の光が台座から水晶体へと伝っていく。
(覚悟を決めるしかない!)
何が出ようと全力で言い訳をしようと心に決める。
全く覚悟は決まっていない。
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