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後ろに残した  作者: 朝山 みどり


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第11話 お祖父様の遺産

わたしはワイルド夫人とその後二人で会う事が増えた。なぜか夫人は頻繁に王都から訪れた。


夫人が招待されるお茶会には必ずわたしが招待されるようになった。


その度に編みかけのショールを見せたが、シリウス家の手伝いがなくなったわたしは時間があるので思ったより早く夫人に渡せた。


夫人はわたしが帳簿をつけられるのがわかると王都の店で働くよう誘ってくれた。



そこでわたしはお祖父様の遺産のことを夫人に相談した。


夫人はわたしの計画を聞くと賛成だと言ったが、わたしはマーチンさんとワイルド商店の者も交えて話合いをするよう手配した。



会議が始まる前に渡された資料を見て驚いた。わたしは遺産はすべてワイルド商店に託してというか売ると提案していたのだが、活かしてまわりの人たちの助けになるようにしてくれそうだったからだし、ホワイト家とシリウス家に打撃をと言うのは生ぬるい、滅ぼしてやりたいとおもったからだけど・・・・


しかしあちらが提案しているのは、もちろん、滅ぼすけど・・・・わたしを経営者として残すと言うものだった。わたしが経営?無理だよね。


びっくりしているとマーチンさんが


「ホワイトさん、当然のことだよ。お祖父様の気持ちを大事にして欲しい。とても感謝なさっていたし、その分親族への失望も大きかった。それにね、ワイルド商店はあそこに支店を出したかったんだよ。ちょうど良かったんだ。経営者と言うけど持ち主ってことになるかな。経営はワイルド商店がするんだ」


「マリアさん、王都に来たらいいわ。やりたいことを見つけるの。自分の人生を見つけるの。自分で自分をかまって可愛がればいいわ」


それを聞くと不思議と涙が出て来た。今度の涙は止めなくていいんだ。婚約破棄の日の涙は途中で家族やショーンが気になって止めたけど今日は、遠慮なく泣いた。


どれくらい泣いたのか、自然と涙が止まった。ちょっと恥ずかしくてまわりを見たら、目を赤くしていた。



わたしは息を吸い込むと


「ありがとうございます。わたし、お祖父様の気持ち、皆様のお気持ちをありがたく受け取ります」と言うと頭を下げた。


パチパチパチと拍手をしてくれた。




それからは速かった。わたしは家を出た。


ショーンに泣きつかれてわたしはシリアス商会の手伝いをしていた。貰った給料で実家に部屋代を払って住んでいたのだけど

「いつまでも、傷者の娘が家にいるのは良くないわね」とわざと言った。


雑用をやっていたわたしがいないくなると不便だろうけどね。


「えぇお姉様。これから赤ちゃんが生まれるのに出て行くの」とメラニーが言うのを無視した。


最後だから、赤ん坊をみるのは辛いぐらい言っても良かったけど、面倒になったのだ。


「わたしがいるとごちゃごちゃ心配でしょ」とだけ言ってトランクひとつで家を出た。


昔、持って行きたいと思っていたものも、今では不要なものとなった。わたしは自分の部屋のものを全部捨てて家を出た。この家になにも残したくなかったのだ。




わたしが王都でちいさい部屋になじんだ頃、マーチンさんが遺言を公開した。



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