2話
レイ「父さんもギフターじゃないのによく母さんと結婚できたよね」
カイ「父さんはギフトを持ってないけど、能力が高いからね。元王国騎士団団長まで上り詰めた人だからレイも能力高いだろ?」
レイ「そうだけど…」
カイ「俺は早産だったみたいだからな、色々母さんの元に置いてきちゃったんだろう」
レイ「そんな…」
カイ「逆にレイは遅生だったからな」
レイ「そのせいで母さんは…」
カイ「いいや、元々母さんは体が弱かったんだ。お前のせいじゃない。お前が生まれてきてくれて嬉しかっ
た」
レイ「兄さん…」
カイ「ほら、父さんが呼んでいる。今日はレイの誕生日だろ。プレゼントは用意できないけど」
レイ「ううん、大丈夫。またね、兄さん」
カイ「ああ、楽しんでこいよ」
―
あれから年月が経った。
珍しく、本邸に呼ばれていた。
ジョウブン「お前も10を過ぎた。10を過ぎれば家から出て行かなければならない。それは知っているな」
カイ「はい。大変お世話になりました」
ジョウブン「次期当主の人間は何処かの学校を卒業し次第戻ってくるが、それ以外は自由だ」
カイ「私は冒険者になろうと思います」
ジョウブン「ギフターでも高い能力があるわけでもないのに…か」
カイ「大丈夫です。生きていく上で確実なのが冒険者のようです」
ジョウブン「そうか…」
カイ「お世話になりました」
ジョウブン「お前には何もできなかった…すまない」
カイ「レイが大きく育てば何も文句はありません」
ジョウブン「カイブン・クロイン。達者でな」
カイ「はい」
―
レイ「兄さん…冒険者になるって本当?」
カイ「安定して稼げそうなのが冒険者みたいだからな」
レイ「それじゃ…これ持っていって」
カイ「いいのか?」