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第89話  1月24日 凪タイム(下)

読みに来てくださりありがとうございます!

 僕はお風呂に入っている。

 いつもはゆったりできるお風呂が、今はとても心臓に悪いものとなっていた。


 理由としては……


 「凪。洗い終わって湯船に入ったよ」


 「は、はい。じゃー改めてお邪魔します」


 この通り、凪と一緒にお風呂に入らなくてはいけないから。


 「とりあえず凪の方見ないから洗っちゃって」


 「は、はい」


 凪がこの様な行動を取る理由は大体予想が付いている……美香の悪知恵だろう。

 流石に行き過ぎなので、一度話し合うつもりだ。


 ちゃんと聞いてくれるかわからないし、妹に言われたくないランキング1位の「嫌い」を言われたくないので、そんなに強くは言えないのだが……





 "ジャーーー"



 シャワーの音と共に、微かに凪が頭や体を洗う音が聞こえる。


 本当になんなのだろうか……この状況。


 見なければいけるだろうと思っていた僕が馬鹿だった。

 もちろん興奮するし、振り向きさえすれば好きな子の体がみえてしまうのだ。

 心底見たい。

 とても見たい



 本当に僕は頑張っていると思う。

 この間の美月の時もそうだが、僕はとても我慢強いみたいだ。

 若干、我慢ができていない部分もあるけど……






 自分自身と闘っていると、シャワーの音が止まっている事に気がついた。


 「あ、あのー翔斗くん。洗い終わったのですが……」


 ついに……この瞬間が来てしまった。


 「う、うん。とりあえず入浴剤を入れて中を見えない様にはしたから……」


 「わ、わかりました」


 浴槽の中まで凪が入ってきた。


 さっきまで波ひとつない湯船に波紋が広がる。

 僕1人で溢れそうだったお湯は凪が入ることによって溢れている。


 僕は今、好きな人と一緒にお風呂に入っているのだ、本当に本当になんなのだろうか。




 「翔斗くん……一応タオル巻いているので、こっち見てもらえませんか」


 美香の手を借りていることはわかっているが……最近の凪はとても積極的だ。

 もしかしたら僕が先程まで思っていた思いは間違いだったかもしれない。

 いや、でもまだこれは美香も関与していることがあるし決めつけることはできないだろう。


 「う、うん。この態勢も辛いしお言葉に甘えてそうさせてもらうね」


 そう言って、僕は凪の方を見る。

 その瞬間、不覚にも僕は見惚れてしまった。


 肩より上しか見えないのに、凪の全身は、白色の入浴剤なんか比較にならないくらい真っ白なのだろうと思ってしまったから。

 さらに、入浴剤を入れても薄く見えている、凪のタオルからはみ出した上乳の部分が僕の男の部分を刺激してくるから。

 それらを抑え込むのに必死で、話すことさえ僕はできない。


 見れば見るほど、凪のことを触りたい衝動に駆られる。

 この際、凪の方からお風呂に入ってきていることだし触ってもいいのではないかと思ってしまうほど僕の気持ちは揺れていた。


 だけど、僕はグッと自分の欲望を抑え込む。

 世の中の男子はこれをヘタレと呼ぶのだろう。

 だが、いいのだ。

 僕には好きな人が2人いて、まだどちらか迷っている状況なのだから。

 そんな中、状況に甘えて凪に触れようとするのは僕のプライドが許せないのである。




 「翔斗くん……怒ってますか?」


 僕が沈黙していることを怒っていると感じたのか、凪から質問を受けてしまった。


 「怒ってはいなよ。びっくりはしたけどね。だけど、美香の言うことを全部鵜呑みにするのは良くないと思うよ」


 「そ、そうですよね。すいませんでした」


 「いや、そんなに謝らないでいいよ。美香には僕の方からしっかりと言っておくし、凪と一緒にお風呂入ること自体が……その……嫌ってわけじゃないからさ」


 「ふふ、恥ずかしいですけど私も翔斗くんとお風呂に入るのは嫌じゃないです」


 「そ、そっか。ならよかったよ……でも、申し訳ないけどもうそろ上がってもいいかな?と言うか上がらないとのぼせそう」


 「そ、そうですよね。ごめんなさい。私気にせず体とか洗っちゃって……」


 「いや、いいよって言ったの僕だし気にしないで。じゃー出るからあっち向いててくれるかな……」


 「わ、わかりました。私はもう少しだけあったまってから出ますね」




 お風呂を出たのだが、案の定のぼせてしまったみたいで髪の毛を適当にタオルで拭き、僕は少しだけ自分の部屋で休むことにした。



――――――――――――――――――


 翔斗くんがお風呂から出ました。

 一緒に入ったのは10分程度でしたが、それでも私は満足、と言うかお腹がいっぱいです。


 それに、これ以上一緒にいたら私自身、羞恥心で死にそうでした。


 やっぱりスク水でも恥ずかしがらず着るべきだったかもしれません。

 今更後悔です。


 実は、美香先生と企てた作戦はここまでです。


 3つ目の一緒に寝るは、私が自分で考えた作戦でした。






 結局お風呂から出た後、体のケアなどをしていたら22時20分になってしまいました。


 ケアと言っても顔に化粧水を塗ったりなどです。




 「あ、凪ここに居たんだ。リビングにいるのかと思ってたよ」


 そう言って翔斗くんが洗面所に入って来ました。


 「すいません……長くって。翔斗くんは歯磨きとかですか?」


 「そうそう、もう寝るでしょ?」


 「そう……ですね。とりあえず布団には入ろうかと思います」


 「うんうん。明日も出かけるし、いつもよりは早く寝ようか」


 「あ、そのことなんですけど、明日もここで過ごしませんか??なんか、今の時期あまりお店とかやっていないらしく、オススメしないってネットに書いてあったので、2月に入ってからでいいかなって……」


 もちろんこれは嘘です。

 美香先生が明日は夜に帰ってくると言っていたので、もう少し翔斗くんと家で一緒に過ごしたくなってしまったのです。


 「そうなんだ。それなら2月入ってからの方がいいね。そしたら明日は……2人でゆっくり過ごそうか」


 よかった。

 翔斗くんから提案してくれました。


 「はい!それでよろしくお願いします!」





 22時30分、私たちはとりあえず布団に入る事になり翔斗くんの部屋に来ました。


 「え〜とりあえず嫌じゃないなら凪は僕のベットで寝るでいいかな?」


 やっぱり翔斗くんは別々で寝るつもりです。


 「わかりました」


 そう言って私は翔斗くんのベットに入ります。

 ですが、これで終わりではありません。


 「でも、翔斗くんも一緒にです!」


 「え……ダメだよ。別々に寝ないと」


 「何言ってるんですか、美月さんとは一緒のベットで寝たんですよね??」


 「そ、それを言われたら何も言えないよ……でも、」


 「そんなに嫌なんですか??」


 「いや……そんなわけないだろう。はぁ〜わかったよ。わかったからそんな悲しい顔をしないでよ」


 そう言って翔斗くんもベットに入りました。



 少しだけ冷たいと思っていた入ったばかりのベットも、翔斗くんが入ったことによって暖かくなって行きます。


 「凪……これも美香の……」


 「いえ、これは私自身のお願いですよ」


 「そ、そっか」


 翔斗くんが言いたいことはわかっていたので、きっぱりと言い切りました。


 そして、私は我慢していたことを言うことにしました。


 「はい。だって……美月ちゃんだけずるいじゃないですか。翔斗くんと一緒に過ごすなんて。出かけたりするのは私だってしているのでそこはお互い様だと思いますが、お泊まりや一緒の布団やベットで寝るのは話が違いますよ」


 「そっか……除け者にしたい訳じゃないし、あの時は本当に仕方がなかったからなんだけどね……」


 それは私だってわかっています。

 ですけどそう言う問題ではないんですよ……翔斗くん。


 「そうは言いますけど……もしもですよ、翔斗くんの好きな人が同じような理由で他の男子と泊まることになってしまいました。それでも翔斗くんは仕方がないで片付けられるんですか?」


 「いや、それは確かに思うところはあるし、嫌だと思う……」


 「そうですよね??私も、同じなんです」


 「え?」


 「私も翔斗くんと同じで嫌なんです」


 「いや、それは伝わったけど……それって」




 私は、翔斗くんから好きと言ってほしいと思っています。


 ですが、翔斗くんが私に言ってくれるようになるには私も翔斗くんにアピールする必要があるのではないかと、翔斗くんと美月ちゃんがお泊まりをした日に思ったんのです。


 翔斗くんが答えを出すのを何もしないで待っていてもダメなのだと……

 私から好きと、今後はもっと積極的にと、決めたのです。


 だからと言って今日当然好きと伝えるわけではありません。

 流石に翔斗くん自身も好きと言われずとも悩んでほしいと思うので……その代わりと言ってはなんですが、間接的にアピールしていきましょう。


 「今日は寝ますね」


 そう言って、私は翔斗くんの腕を胸に引き寄せ、抱きしめました。


 「ちょ、な、凪!?」


 翔斗くんの狼狽えた声が聞こえてきます。

 多分顔を赤くしていることでしょう。

 ですが私はそれを無視し、さらに強く胸に引き寄せ抱きしめます。

 まるで抱き枕を抱いているように。




 23時……翔斗くんの横肩あたりに頭を置いて私は目を瞑りました。


読んで頂きありがとうございました!

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