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第84話  1月18日 お母さんらしい

読みに来てくださりありがとうございます!

「美月の言う通り、とても良い人だったわね」


2人になったリビングでお母さんは私にそう言いました。


「でしょ!翔くんは良い人と言うか全部いいの!」


「ふふ、ベタ惚れじゃない。全く……そう言うところもお父さんに似たのね」


「でた、またその話。お父さんが暴走機関車の様に断るお母さんに対してアプローチしたって話でしょ」


「そうそう……でもね私が言いたいのはそこじゃないのよ」


「どう言うこと?」


「それはね……」


少しだけ、お母さんの雰囲気が変わったような気がしました。


「う、うん」


「私がお父さんからアプローチを受けていた時、私には好きな人が居たと言うことよ。ね!そう言われてみたら美月、あなたお父さんにそっくりでしょ」




「そうだね。翔くんにはもう1人好きな人がいるのは確かだよね」


「あら、その言い方だと翔くんは、」


「翔くんって呼ばないで!!」


「ふふ、はいはい。美月の言い方だと、翔斗くんは美月のことも好きでいると言いたそうね」


それは間違っていないと私は思っている。

だけど、翔くんが抱いている好意の中身的には私は劣っている用に感じていました。


「私はそうだと思うもん」


「罪な子ね、翔斗くんは……こんな可愛い子を選ばないかもしれないなんて。まぁ、翔斗くんのあの感じを見ると美月の言っていることは間違いではないと思うわ。そして、美月が今思ったことも多分間違っていないわね」


お母さんはエスパーかなんかなんですかね……全部見透かされている気がします。


「だけどね、劣っているわけではないと私は思うわよ」


「と、言うと?」


「私の経験からするとね、翔斗くんが美月に抱いている気持ちは好きで間違いないわね。

美月、人ってね同じ意味の好きを異なる2人に抱いてしまった時、必ず一位が決まるものなの。同率一位なんてこの国が一夫多妻を認めない限りはありえないわね。そのことからもう1人の子に翔斗くんが感じている気持ちは愛おしいそこら辺だと私は思うわ」


「私もそれは薄々思っていたよ。でもそれだと私の方が劣っているのは間違っていないと思うんだけどな……」


実際私も好きより愛しているの方が気持ちは大きいと認識しています。

だからこそ、それを否定するお母さんが理解できませんでした。


「ふふ、わかってないわよ美月。確かに、好きと愛してるでは言葉の意味合い的には愛してるの方が大きいし愛は深いわよ。だけどね、好きは一方的で愛してるは相互的なの。私の解釈で言い換えると、好きな人には自分から。愛してる人にはお互いに、なのよ」


私はまだ理解できなかった。


「さっき言ったわよね。私には好きな人がいたって。今思うとね、私はその人が好きではなく愛していたと。そして、その相手もね。

私かその相手どちらかが一回でも好意を口にしていたら、私たちは付き合っていたし多分結婚もしていたわ。

だけどね、愛し合っているからこそ私たちは口にしなかったの……気持ちを伝え合うことを怠っていたの。

そんな時に、現れたのがお父さんだった。もう、それはあからさまだったわ。私の事が大好きって言うのがね。何も言わなくたって私には伝わって来たわ、お父さんの好意が。

その時の私は、見向きもしないだろうと思ってたわ。だって私はその相手を愛していたから。

だけど、気づいたらお父さんに向けられていた好意に私は応えていた。今思えばそれは当たり前だったのかもしれないわね。

だって、気持ちで通じ合っているだけで好意を口にしない関係よりも、好きと言われ好意を寄せられている関係の方が当時の私からしたら嬉しかったし意識してしまうから。

一度でも意識してしまったら、次第に当時好きだった人は恋人ではなく友達として、いや親友として好きだと私は思うようになった。

そしてね改めて気付いてしまったの、愛してると思いあってるだけよりも好きと言う気持ちを伝えられる方が振り向きやすいとね」


私はやっとわかりました。

愛していると言うのは一種の枷であると言うことを……逆に好きと言うのは自由のものなのだと。


先程よりも自信が持てるようになっている事に気がついた私は、お母さんにお礼を言おうと思いました。

だけど……


「まぁ、愛していると思っているのが翔斗くん側だけの場合はどうなるかはわからないわね。ここからはその子の動き方で全然戦況は変わってくると思うわ。その子が受けに回った場合は美月が有利に……逆に攻めに回った場合はその子が有利になるかもね。ふふ」


やっぱりお礼を言うのはやめました。

上げて下げるなんて……それもナチュラルに。



ある意味、それこそお母さんらしい、と私は思いました。


読んで頂きありがとうございます!

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