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第82話  1月18日 美咲さんに気に入られてしまったみたいだ。

読みにきてくださりありがとうございます!

全く寝れなかった僕は美月の言葉に甘えて電車で寝ることにした。


そして、気が付いたらもう美月の最寄り、いつも通っている学校の最寄りの駅に着いていた。


「翔くん、着いたよ」


「え?もう着いたの?僕乗り換えどうしてた?」


「普通にしてたよ?」


なるほど、もうこれ以上は聞かないことにしよう。


僕は寝ながら歩くことができるようになったようだ。

この特殊能力で僕はこの世界を支配できるのかもしれないな。

寝ながら歩けるだけだけど……やばいもう頭の中も少しだけ厨二になってる気がする。


「ごめん少しコンビニ寄ってもいいかな」


そう言って、強制的に身体と頭を目覚めさせることにした。


翼を授かるか、爪痕を残すか、迷ったところ今回はピンクの爪痕を残すことにした。


「それ、私飲んだことないんだよね」


爪痕を飲みながら、美月の家に向かっていると美月がそんなことを言ってきた。

まだ完全に覚醒していなかったからか、僕は無意識的に渡してしまった。


「一口飲んでみたら?」


「え?いいの!ならちょっとだけ飲んでみようかな!」


そして、美月が爪痕に口を付けた後、僕と美月は気付いた……


「「あ……」」


何も言わずにそっと爪痕を返す美月。

爪痕の飲み口を見つめる僕。

その瞬間だけ時間が止まったかのようにゆっくり感じた。


「私、飲むよ……嫌だよね」


いや、そんなわけがないだろ……


キスだったらしたことあったのに何故か、美月との間接キスだけで僕はとても動揺してしまったみたいだ。

ここは強がらせてもらう、と言うか好きな人の飲みかけこんなのご褒美以外なんなのだろうか……そんなことを思ってしまう今日の僕は本当にやばいかもしれない。


「そんなことないよ。気にしない気にしない」


そう言って僕が飲むと、


「少しは気にしてくれてもいいんですけどね……」


美月が何か言っていたが僕には聞こえなかった。






「ここが私の家だよ」


「で、でかいな……」


美月の家は、僕が住んでいる家よりひと回り程デカかった。


「そうだね……裕福な家の方だと私も思ってる」


「とりあえず僕はどうすればいいの?」


「あまり待たせたくないけど、ここで待っててほしい」


「うん!全然いいよ!」


美月は家に入って行った。




「どんな人なんだろう……美月のお母さんって」


そう僕が呟くと、とても美人な女性が僕の顔を覗いて来た。


「私が美月のお母さんですよ。どうしたんですかこんな玄関で」


「え?美月のお母さん!?!?」


「はい!私が美月のお母さんの夜光美咲です。よろしくね!」


そう言って僕に自己紹介をして来た美咲さんは、髪の毛を黒くした美月が大人になったらこうなるのだろうなと思えるほど美月に似ていた。


「あ、僕は古巻翔斗と申します。いつも美月さんにはお世話になっております」


こんな形で会ってしまっているし、大事な娘さんと仕方なかったとしても一晩を共に過ごしてしまった。

そして、好きな人の親なのだいつもより礼儀を意識して僕は自己紹介をした。


「あら、礼儀正しい子なんですね。美月から帰れなくなったから泊まるって言われた時は全く、どんな男の子なのかと思ってたわよ」


「そ、それは本当に申し訳ありません」


「ふふ、嘘よ。元々は美月が誘ったことだし、美月から聞く限り真面目な子だと思ってたから」


嘘でよかった……と、僕は少しだけホッとした。


「こんなところで立ち話もあれだし、なんと言ってたかしら……あ、翔くんだったわね!ほら、翔くん寒いでしょほら入って入って」


「は、はい。お邪魔します……って翔くん!?美月は家でもそう呼んでるんですか?」


「直接は聞いたことはないけれども、部屋のベットで足をバタバタさせながら翔くんから返信きたって喜んでいたのは、、、」


「ちょっと!!お母さん余計なこと言わないで〜〜」


そう言って玄関から美月が出てきた。

顔を真っ赤にしながら……


美月の反応を見て、僕も段々と顔が熱くなるのを感じた。


「いいじゃない。可愛かったわよあの時の美月」


「もうお母さんはうるさい。ほら翔くん中に入って。ごめんね待たせて」


「あ、うん。じゃー改めてお邪魔します」


そう言って今度こそ僕は美月の家にお邪魔することになった。




リビングに案内された僕は、6人ぐらいは座れそうなソファーに座らせられた。


「改めて自己紹介させてもらうわね。私は夜光美咲。美月のお母さんです。今日は私のわがまま聞いてくれてありがとう!翔くん」


「お母さんその呼び方やめて!」


「わかったわよー翔斗くん!」


2人の会話を見ているとほっこりするなー


「僕も改めまして古巻翔斗です。いえいえ、昨日は本当にすいませんでした」


怒っていないことは先程の会話で伝わって来ていたが、もう一度だけ謝ることにした。


「さっきも翔斗くんは悪くないって言ったんだけどね……まあ、受け取っておくわね。そんなことより、美月お父さんが居なかったからまだ大事になってないけど居たら大変なことになっていた事は肝に銘じておくこと」


「はーい。ごめんなさい」


美月のお父さん……何者なんだろうか。

僕は少しだけ気になった。


「あ、美月。少しだけ翔斗くんと2人でお話がしたいのだけど。いいかしら」


「え?何を話すの?」


「いいからいいから。お父さんに内緒にしてあげてるでしょう。少しぐらいママのお願いも聞いて」


「それ言われると何も言えないからずるいよ……じゃ〜私部屋で待ってるから、終わったら読んでよ」


そう言って美月はリビングから出て行った。


「あの〜話って」


どんな内容だろう……


「翔斗くんにはね、お礼が言いたかったの」


「お礼ですか?」


そんな、お礼言われることなんて何もしていないと思うんだが……


「翔斗くんと知り合うまでの美月は私もお父さんも全然楽しそうに見えなかったの」


「え?そうなんですか?」


楽しそうに見えない……か。

友達になる前はそこまで気にしたことがなかったからな。

でも6月だったかな初めて話した時。

教室で1人残っていた美月の顔を見た時、寂しそうな顔をしているなと思った気がする……確か。

だからこそ、そのあと少しだけ話そうと思ったんだ。


「そうなの。小学生の頃はそんなことなかったんだけどね。いつからか、美月の心から笑った顔は見ないようになっていたわ。何があったのか聞いても話してはくれないし、私とお父さんは美月から言ってくれるまではそっとしておくことに決めたの。

まぁ〜そのまま美月は話してくれず気が付いたら高校生になっていたんだけどね……

高校に入っても美月は変わらなかった。だから、そろそろちゃんと話し合うべきだと思って少しずつまた声をかけるようにしていたの……するとね、文化祭の時からいや、もう少し前だったかしら、少しずつ美月に笑顔が戻って来てるようになったの。特に文化祭が終わった後からは私たちでも見たことがないくらい眩しい笑顔を向けるようになったわ。気になったわたしは聞いてみることにしたの。最初ははっきり言ってくれなかったけど、最近になってやっと古巻翔斗くんって子と友達になって変われたって話してくれた。

長くなってごめんなさいね……私ではできなかったことに不甲斐なさを感じてしまうけど、美月が元に戻れた、いや今を幸せだと思って生きてくれていることが私はとても嬉しいし、幸せだと感じているわ。

だからこそお礼を言わせてほしいの……美月をまた笑わせてくれてありがとう」


美月は美月で色々なことを抱えながら生きてことを初めて知った。

僕の前では明るい姿しか見せないから。

もしかしたら今でも無理していることがあるのかも知れない。

そして、美月だけではなくもしかしたら凪だって……


僕はもう少し2人のことを見たほうがいいのかもしれない。

好きと言う気持ちだけで突っ走らず、今回のことのように悩んでいることだってあるかもしれないから。

2人の可愛いところ、好きなところだけを見ないで全てを見ていこう、僕はそう思った。


「僕は友達になってもらっただけです。美月が自分で選んだ結果が今の美月に繋がっていると思うので、僕なんかにお礼を言わず美月を褒めてあげてください」


僕がそう言うと、


「もう……美月あげるから結婚しなさい!!!」


それから美咲さんは、こんな良い子絶対離しちゃダメとかなんとか言って美月を呼びに行った。


そして、リビングに戻って来た美月は興奮している美咲さんをどうにか沈めて、お昼ご飯だけご馳走に家に帰ることになった。



なんだか、


 美咲さんに気に入られてしまったみたいだ。


読んで頂きありがとうございます!

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