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突撃!オニの戦車(`・ω・´)ゞヒノヤマノボレ  作者: つばき☆テルゾー
第1章 よみがえる咆哮
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夏の午後にて

猛暑も激しい8月下旬、日も傾きだす午後3時ごろ

軽自動車の中で1人でうろたえる、20代前半の女性がスマホを振って文句を言っている。

女性「なんで電波来てないのよ。」

短髪で身長は160cmぐらい

化粧っ気は無くオシャレとは縁遠い

服装は、白地のTシャツに黒字で”努力と根性”と大きく書いてあり、アイボリー色のズボン、こげ茶色のスニーカーを履いている。

女性「ガス欠なんてありえない。」

周りを見渡すが、曲がりくねった路と、周りは木と草しか見えない。

セミが、うるさく鳴き続けるそんな山奥の舗装された林道

左側は登り斜面

右側は谷になっていて、草木におおわれて見えないが、小川が流れているのだろう、せせらぎが聞こえる。

文句を言いながら、スマホで車のハンドルを叩く

スマホを後部座席に放り投げて、頭をかきむしる。

女性「ああん~も~明日仕事なのに勘弁してよ~。誰か通ってくれないかな。」

べそをかきながらハンドルに寄り掛かる。

女性「ん?」

遠くから微かにエンジン音が聞こえてきた。

後方から軽トラックがこちらに走ってくる。

ゆっくり近づいてくる軽トラックを見つめて、彼女にとって希望の光を見ていた。

女性は、車を降りて満面の笑みで軽トラックに手を振る。

女性「助けてください。通ってくれてありがとう。」

軽トラックに乗った林業のおじさんが車を横付けにして、窓を開けてくれた。

おじさん「なんぞや、こんな山奥で動けんようなったか?」

女性「ガス欠で車が動かなくて!」

おじさん「なんぞ?オッチョコチョイやの~」

女性「えっ、いやあ・・返す言葉もありません。」言い訳をしそうになったが、言葉を飲み込んだ。

女性は軽トラックの荷台に草刈り機やガソリンタンクが積まれているのが見えた。

女性「あー!ねえ!ちょっと、ガソリンタンクあるじゃない。そのガソリン売ってよ。」

おじさん「こりゃダメ!草刈機用の混合ガソリンやぞ。車に入れたら壊れっわ。手が空いたら普通のガソリン持ってきてやっから。ん~まあ・・・果報は寝て待て言うやろ、気長に待っとけ!」

山奥なのでガソリンスタンドが間近にはないのだろう。

女性「時間がかかるの?」

おじさん「さあな、夕方まで待っとけや、それまでに何とかなるやろ、姉ちゃん名前は?」

女性「こ・・が・・古賀裕子。」

森の中で初めて出会った人に、いきなり名前を教えるのをためらったが、たぶん世話になる人を疑っては悪いと思った。

それに、ぶっきらぼうだが、悪い人ではないだろう。

おじさん「裕子ちゃんかい。俺はゴンゾちゅうもんや、ゴンゾ言うたらここら辺のもんなら誰でも分かる。時間かかっけど森林浴でも満喫しとけ、じゃあ行って来てやるわ。」

裕子は顔の前で合唱して言った。「ありがと~う。なるべく早くね。」

ゴンゾ「ん・・あぁ」

曖昧な返事をして、軽トラックを走らせて行ってしまった。

裕子は、ため息をつきながら不安を覚えたが、ゴンゾさんに頼るしかない自分が、みじめに思えてきた。

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