プロローグ
神々しい光が差し込む魔女の祭壇に立つ漆黒の三角帽とローブを羽織っている一人の人物は目の前の純白に輝く階段を見上げる。
魔女の祭壇の最下層に立っている人物は目の前の階段を上っていく。
まだ着慣れていない漆黒のローブは階段を上るたびにローブの裾の端が階段の角を引きずりながらひたすら頂上へ進む。
『よくぞ参られた。“魔女”となった魔導師よ』
純白の階段の中腹まで進んだ時、頂上から何者かの声が聞こえる。
階段を上る人物は手で光を遮りながら頂上から聞こえた声の主を探そうと見上げる。
見上げて声の主を探すも視界に入っているのは神々しい光が差し込むだ下の頂上が見えるだけで声の主は見えたらない。
階段を上る人物は再び三角帽を深々と被り階段を上るたびに徐々に強くなる神々しい光から目を守った。
黙々と階段を上る人物はようやく魔女の祭壇の頂上へ到着した。
頂上は階段を上り切る前に見上げた時とは比べ物にならないほど広い空間が視界に広がる。
『よくぞ魔女の祭壇の最上部へ参られた“魔女”の称号を得た魔導師よ』
階段の中腹から聞こえた声が誰もいないはずの目の前から聞こえる。
魔女の祭壇の最上部へ到着した人物はその場で跪いて両手を組んだ。
『“魔女”の称号をえた魔導師よ。其方が今まで誰にも伝えてこなかった“本懐”を口にするのだ』
声の主は跪いている人物に今まで公言してこなかった“本懐”を口にするよう宣告した。
“魔女”の称号を得た者は一度だけ魔女の祭壇に足を踏み入れる事が許される。
魔女の祭壇の最上部の声の主から尋ねられる今まで誰にも伝えなかった“本懐”を聞かれる。
ここまでは今まで“魔女”の称号を得た者達が言った通りだ。
新たに“魔女”の称号を得た魔女の祭壇最上部で跪く人物は心の中で次に言葉にするであろう声の主の言葉を歴代の“魔女”の発言を思い返す。
『現世で叶えられる“本懐”であれば“魔女”となった其方の“本懐”を叶えてやることができる』
歴代の“魔女”の言った通り。声の主は魔女の祭壇へ足を踏み入れた新たな“魔女”に現世で叶える事のできる《魔女の特権》を説明し出した。
『其方の『魔女の真名』を口にして其方の“本懐”を口にするのだ。さすれば其方の“本懐”を叶えてやろう』
声の主が魔女の祭壇の最上部の人物に“本懐”を尋ねた。
「我《——の魔女》の“本懐”は——」
跪く人物が『魔女の真名』と“本懐”を口にした瞬間、神々しい光が魔女の祭壇すべてを呑み込み目の前が真っ白になる。
お疲れ様です。
今回差し込みで新たにプロローグを書き足しました。
もし宜しければ次話も読んで頂けると幸いです。