結託
遅れて申し訳ない
これから改善してきます
気付いたら、私は医務室にいた
「あら、目を覚ましたのね」
「あ、あなたは?」
「私は藍澤花蓮、医務室の先生を務めさせてもらってるわ」
「そうですか、私は負けたんですね」
私は思い出した
鳴上尽に後ろから刺され、試合に負けた
訳の分からない能力によって
「ねぇ、先生は鳴上って子の能力知ってますか?」
「鳴上?あぁ、あなたが負けた子ね」
「皮肉な言い方しますね」
「あら、ごめんなさいね。
だけど、知らないわ」
「そうですか...」
「あまり、深追いはしない方がいい」
「な!?」
いきなり、他の声が入ってきた
医務室の入り口には学園長がいた
「彼にも隠したいものの一つや二つあるだろ?」
「う、そうですね」
「その反応を見る限り、あなたは知ってそうね」
「うん。でも、まだ想像の範疇だけどね?」
「それでもいいです。教えてください!!」
「やけに食いつくね」
学園長は不気味に微笑む
「そ、それは」
「まぁ、考えは分かるよ」
「ッ!?」
「その為にも、教えてあげよう。
彼の能力は"影の世界を支配する"力」
「え、でも。私は影の対角線を見て背後を突かれ た。ならば、影の中からとは言えない。」
「あなたは気付いていなかったのね」
そう藍澤先生は呟いた
「何にですか?」
「あなたが背後を向いた時、空中にナイフを
投げて光を屈折させて、貴方の背後に小さな
影を生み出していた事」
それなら、私の背後も取れて
最後背後だと思い振り向いたらそのさらに後ろ
だった事にも納得がいく
「ご都合主義な能力ですね」
「まぁ、憶測に過ぎないが、今はこれが有力な説だろう」
「ありがとうございます」
そう言うと私は立ち上がり医務室を後にした
「本当にそうなのかい?」
「だから言ったろ?憶測と」
またもや、不気味な笑みを溢す
「彼は私たちの想像を遥かにこれるかも知れんな」
私は鳴上の寮室へと向かった
理由はただ一つ...
一つ深い深呼吸をしてノックをしようとした時
扉が突然開いた
「わぁっ!?」
「えっ!?」
私は扉の前で転んでしまった
顔を上げるとそこには女性がいた
「だ、誰ですか?」
「うーん、今は答えられない、とだけ言っておこうかな」
「なら、なぜ鳴上の部屋に?」
「それも秘密」
屁理屈な女に腹が立ち頬を膨らませていると
女の背後から鳴上が近づいてきた
「どうした?すごい音が聞こえたが?」
「何でもなーい、じゃあねー」
「あぁ」
女は逃げるように去っていった
「鳴上尽!!あなたは女性を部屋に連れ込んで何をしていたのです!?」
「何もしてないって」
「証拠は?」
「な、無いけど...
というか、何故雷童さんがここに?」
「少し話というか、頼みがあってな。
部屋に入っていいか?」
「あ、あぁ」
私は部屋に上がる
「ど、どうぞ、好きな所に腰掛けて大丈夫だから」
「すまないな」
「飲み物どうする?紅茶と珈琲しかないけど」
「別に長居する気はない
だから、必要ない」
「そうか、で?話って何だ?」
俺は本題に早速入る事にした
「そのだな、私と双剣舞に出て欲しい!!」
「つまり、パートナーになってくれと?」
「あぁ」
(俺なんかでいいのか?)
「何故、俺を指定する?」
「唯一、私の一閃を止め、私に勝利したからだ」
「そ、そんなのまぐれかもしれないじゃないのか?」
「いや、まぐれではない。
それくらいは分かる」
「まぁ、仮にまぐれじゃなかったとして
力を見りゃAクラスの雷童さんと
E判定の俺じゃ力の差がありすぎる」
「それは、君の力がまだ断定されていない
為、君の能力がわからない以上何も
口を出せないのであろう?」
「そんなリスキーな賭けするのか普通」
「私は鳴上、お前なら私の背中を任せられると
踏んでここにいる」
(そんなに過大評価されても困るんだよなぁ)
ただ、雷童が本気なのは分かる
俺をみる目が真っ直ぐ俺の目を射抜いてくる
危ない賭けと分かっていてもなお
俺と組もうとしている
それが、何のためで、俺に何になるのかは
わからない
だが、一つだけ言えることがある
意味のない人生と思っていた俺の人生
捨てるくらいなら雷童に付き合ってやっても
何も変わらないのではないか
そして、俺は決心する
「あぁ、分かったよ
組んでやる」
「それは本当か?」
「そう言ってるだろ?」
雷童は嬉しそうに目を輝かせる
「エントリーするからな!!
後には引けないからな!!」
「分かってるって」
俺は顔を引きつった
お前が言い出したんだろ
「それじゃ、また明日」
「あぁ、また明日な」
そう言って雷童は部屋から出て行った
「本当に良かったのかい?」
虚空からさっき出て行った女性が出てくる
「お前は本当にお節介なやつだよな」
「そりゃ、君の身体の一部。気にするさ」
「まぁ、それもそうか」
「で?良かったのかい?」
「まぁ、悪いとは思わない」
「何だそりゃ」
彼女は笑いながらそう言った
「まぁ、頑張りなよ」
「あぁ、当たり前だ」
そう言って眠りについた
もっと精進しなきゃですね