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街には色々な人がいるのは間違ってはいない

 俺達は、ギルドからの報酬を受け取り報酬をどう使うか話し合った。その結果、明日町へ行き色々と見て回るという事でこの話は落ち着いた。

 ちなみにフィルは、まだ気絶していた。


 翌朝、俺達はギルドにあるテーブルへと集まった。


 「二人ともおはよう。良く眠れたか?」


 「おはようございます。昨日あんなことがあったのに眠れない方がおかしいですよ」


 「それもそうか」


 確かに昨日、あんなにモンスターに襲われていたら疲れないわけがない。それで疲れていない奴は最早人ではないだろう。ルークは、脳筋だから仕方ない。


 「……昨日ギルドに入った後の記憶がない、なぜか頭が、痛い」

 

 昨日殴られた所をさすりながらそう言った。記憶を失うとなると、どんな威力で殴ったのかが気になるが、まあ気にしたら負けだろう。


 「シャルロッテさん、ここに記憶失ってる人いますよ」

 

 「ちょっと何言ってるか分かりませんね」


 「・・・」


 「・・・」


 「それより早く町へ行こうぜ。俺まだ店とかは行った事ないから気になってんだよ」


 ルークが遊園地を楽しみにしている子供のように目を輝かせながら言った。


 「実は俺も行った事ないんだよな」


 「私とフィーもです」


 「んじゃ、町へ行くか。ほれ、フィー乗れ」


 「わかった」


 そういってルークは、フィーを背負った。


 しばらく歩くと町の中心部辺りに着いた。そこは俺が初めて町に着いた地区に見た時より、栄えており色々な種族の人が街を歩いていた。


 「ルーク、あそこ行って」


 そういってフィルは指を指す。そこには、串焼きを売っている露店があった。


 「おし、んじゃ行くか」


 そういってルークは、露天のある方へと向かった。


 「こうして見ると、あれだな」


 「はい、あれですね」


 俺とシャルロッテは、ルークたちが向かっていった方を見ながら言った。


 「「親子みたいだな(カップルみたいですね)」」


 「「えっ?」」


 俺とシャルロッテの意見が食い違ったらしい。


 「あんなに恋人みたいな事してるのに、恋人同士に見えないってどんな目してるんですか」


 「ひどい言われようだが、あれはどう見たって娘のこと背負ってるお父さんだろ」


 「・・・確かにそうですけど、もう少し想像力を働かせましょうよ」


 「残念ながら俺は、シャルみたいに脳内お花畑してるわけじゃないんだ」

 

 「昨日のフィー覚えてますよね」


 シャルロッテは、ニコニコしながら拳を振り上げた。もちろん目は笑っていない。


 「すいません許してください。なんでもしますから」


 俺は恐怖のあまりとんでもないことを口走ってしまったらしい。


 「ん?今何でもするって言いましたね」


 あかん、俺死んじゃう。


 「無茶なお願いではなく、そんでもって俺ができる範囲であれば」


 「フフッ、冗談ですよ」


 「途中までは本気でしたよね」

 絶対嘘だ。だって冗談って言うまでずっと目が笑って無かったもん。めちゃくちゃ怖かった。


 しばらくシャルロッテと話しているとルーク達が、戻ってきた。


 「おっ、いたいたレッドボアの串焼き買ってきたぞ」


 そういってルークは、俺とシャルロッテに渡す。


 「お、ありがとさん」


 「あ、わざわざ私たちの分までありがとうございます」


 「おう、どういたしまして」


 「…これ美味しい」


 フィルは、ルークの背中に乗って串焼きを食べていた。         


 「乗ったまんま食ってんのかお前は」


 「……ここは私の特等席だから仕方ない」


 「何言ってんだお前」


 「まあ俺は気にしてねぇし、心配すんなって」


 「ルーク悪いが、お前の心配は一切して無かったわ」


 俺達4人は、串焼きを食べ終えて街の中を歩く。するとフィーが反応した。


 「……あそこ、魔道具の店。私行ってみたい」


 フーガ指差す場所を見る。そこには、他の店よりは、一回り程小さいが周りの店とは一風変った雰囲気を醸し出している店があった。


 「魔道具の店か、面白そうだし行ってみるか」


 「・・・早く早く」


 俺達は、店の中に入る。すると、二人の女性がいた。


 「いらっしゃいませ、魔道具専門店マナリアへ」

 

 目の前にいる女性がそういった。


 「初めまして、私はこの店で主に接客を担当しているヘレンで、あちらで作業をしているのがこの店の店長マナリアさんです」


 そう言うと、奥から天パで眼鏡をかけた人が現れた。


 「どうも、私が店長のマナリアさ。そしてこの子はハンナ、こう見えてハイエルフなのさ」


 「といっても、私はハイエルフとダークエルフのハーフですが」


 凄い複雑そうな家庭してそうだと思ってしまった俺がいる。


 「そうなんですか。ところでこの魔道具はマナリアさんが作ったんですか?」


 「そうさ、私が全て手作業でここにある魔道具全て私が作ったものさ」


 「全部手作り何ですか。凄いですね」


 「そうなんですよ。マナリアさんは凄いんですよ。なんていったってこの店の物は勿論の事他にも魔導書の作成もしているんですよ」


 そういってハンナさんは、マナリアさんのことを話し出した。


 「・・・魔導書どこにあるの」


 フィーが魔導書の話を聞いてからか、目を輝かせていた。


 「魔導書はここにあるさ。私が、10年かけて作った魔導書さ」


 そう自信満々にマナリアさんは言った。


 「10年かけたって、マナリアさん今いくつなんですか?」


 ふと気になったので、俺はマナリアさんに聞いた。すると背中から殺気を感じた。


 「ねぇカイトさん、知ってますか。女性に年齢の話はタブーなんですよ」


 さっきの正体はシャルロッテだった。


 「すんませんシャルロッテさん、魔が差してつい」


 「まあまあ私は気にしてないさ。こう見えてもう50は超えているさ」


 「その見た目でですか」


 俺は驚いた。実際マナリアさんは、20後半だと言われてもおかしくない見た目であったので驚いてしまった。


 「まあ魔法に関しての仕事をすると自然にそうなるさ」


 するとハンナさんは水を差すようなことを言った。


 「まあその代わり、結婚が犠牲になりましたけどね」


 「代償がでかすぎませんか」

 

 「まあ私は、仕事一筋だからさ男は、作らなかったのさ」


 そういった後さっきまで魔導書を見ていたフィルが、言った。


 「……結婚できなかった言い訳を仕事のせいにするなよ」


 あー駄目だ。いろんな意味で嫌な予感しかしない。


 「……自分で男を作る努力をしてないくせに、それを仕事のせいにして恥ずかしくないの?それにそんな生活してたんじゃ、結婚はおろか人と会う機会もないし明らかに自分で自分を追い込んでんだもんそりゃ無理に決まってんじゃん・・・」


 スパーンふとそんな音が聞こえた。見るとシャルロッテがフィーを叩いていた。ハリセンで。


てかどっからハリセン出したんだよ。あっ、空間魔法使えるからそっから出したのか。


 「ルークさん、この馬鹿を持っててください」


 「まあ、あれはフィーが明らかに悪いからな、分かった。先に出るわ」


 そういってルークは、フィーを担いで店を出た。一方マナリアさんはというと泣いていた。


 「私だって、結婚したかったさ。でもさ、男の人と話すのが怖いしさ自分の生活を見て引かれそうだしさ実際最初に、ヘレンが来たときヘレンに引かれたしさ。同性に引かれたらさそれはさすがに無理な気がしてさ・・・」


 とまあこんな感じでへこんでいるマナリアさんをずっと俺達は慰めていた。


 とりあえず、もうこの店に来れる気がしないです。逆にこんなことして来れる奴は、すごいメンタルの持ち主か、馬鹿ぐらいなんだろなぁ。


 とりあえず、フィーは絶対後で殺されそう…シャルロッテさんに。




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