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不運と脳筋では、脳筋が勝つようです

 

 「どうしてこうなった」


 落ち着け。まずは、今陥っている状況を確認しよう。

 

 俺達は、ゴブリン討伐のクエストを受けている。そのため、ゴブリンが生息しているといわれる森へと足を運んだ。しばらく森を歩いているとゴブリンと遭遇した。


 「ギャアアアッ!!」


 そうゴブリンが叫んだ途端、周りからゴブリン達が現れた。5、6体程増えただけならば、問題はなかったのだ。


 まさか、3()0()()も出て来るとは正直予想外でした。さらに追い打ちをかけるかの様に4体のオークが出現した。


 そして今俺たちは、モンスターに囲まれていた。


 「モンスターの数に囲まれる事は何回かあったけど、この数に囲まれるとか今日は付いてないな」


 (すまんそれ多分俺の運のせいだわ)


 「てか、なんでこんな大変な時に落ち着いていられんだよ!」


 「だって、囲まれた所で倒せば問題ないだろ」


 「確かに5、6体ぐらいなら問題ないよ。でもさ、35体に対して俺達は2人。しかも俺、モンスターと戦った事無いんだけど」


 「大丈夫だって殴れば倒せるから」


 「今はそんな脳筋みたいな事言ってる場合じゃ「ゴッ!」…は?」


 「な、だから言ったろ。殴れば倒せるって」

 

 そう言うと彼は、ハンマーを振り回す。するとハンマーに当たったゴブリンやオークは、断末魔を上げることなく倒され、魔石や素材になっていた。


 3分ほどたっただろう。モンスター達は、ルークによって魔石や素材にされ俺たちの周りに散らばっていた。


 「いやー今日はいつもより時間かかったな」


 「いつもより早いって、普段はどんだけ早えんだよ」


 流石におかしなことを言っていたので、俺はルークに聞いた。


 「大体一撃だからな、すぐ終わるんだよ」


 「ワンパンかよ!いったいどんなステータスしてんだよ」


 「こんな感じだぞ」


 そう言うとルークは、俺にギルドカードを見せる。


 【ルーク・ロードス】

 

 【攻撃力】S 【耐久】B


 【魔力】C  【筋力】S


 【知力】D  【運】C


 【スキル】随時発動スキル・鋼の肉体 ・筋力強化 

      任意発動スキル・ベルセルク


 何だこのチートステータス。てかステータスまで脳筋とかもうやべえなコイツ


 「このベルセルクっていうスキルてなんだ?」


 「使ったことないから知らね」


 「……そうか」


 使った事ないっていうか使う事が無いんだろうな。多分。


 「てかお前のも見せてくれよ。俺の見せたんだからな」


 「そういやそうだったな。ほらよ」


 そういって俺はギルドカードを渡す。


 「どれどれって、運がEでそれ以外はCてお前なかなか凄いな!」


 「何がすごいのか俺にもわかりやすく言ってみろ」


 「能力値が平均で付いてない」


 こいつ良い笑顔で俺の傷を抉ってきやがった。


 「もうヤダ、ギルド帰る」


 「そうだな、依頼終わったし戻るか」


 「そういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ」


 といった感じの他愛のない話をしながらを俺たち2人はギルドへと戻り受付へと向かった。


 「すいません。依頼を終えたので確認をお願いしたいのですが」


 俺は受付にいるディーゼさんに言った。

 

 「分かりました。それでは、魔石をこちらに置いてもらってもよろしいですか」


 「あと他のモンスターの魔石や素材があるんですが一緒にしても大丈夫ですか」

 

 「問題ありませんよ。どうぞこちらに」


 そういわれ、俺とルークは台の上に素材と魔石を置いた。するとディーゼさんは、あんぐりと口を開けあっけにとられたかのように机を見た。


 「あの、受けたクエストって何でしたっけ」


 「ゴブリンの討伐だったよな?」


 「そうだぜ」


 「ゴブリンの討伐なのは分てるんですよ。ですが、ゴブリンの魔石だけでなくオークやゴブリンリーダーの魔石も混ざって数も40ほどあったのでつい」


 「ゴブリンリーダーやオークってそんなに強そうには見えなかったんですが」


 まあ全部一発だったしな。ルークが。


 「確かにある程度経験のあるパーティでしたらそうでもないですが、ゴブリンリーダーは集団で襲ってくるのでDランク相当、オークはCランクのモンスターなので、初心者にとっては相当厳しいですよ。いったい何があったんですか」


 俺は、今まであったことを説明した。


 「ほんとついてませんでしたね」


 「もうやめてください。本当に泣きますよ俺」


 「まあそんなこともあったが、報酬が増えたんだから別にいいじゃないか」


 ルーク、それは結果論だからな。実際俺だけなら、多分20秒もしないでやられていたに違いない。


 「そういえばそうでしたね。それでは報酬の金貨5万枚と追加でゴブリンが17体、ゴブリンリーダー3体、オーク3体分の料金を上乗せして、合計金貨21万枚ですね」


 「結構な額ですね」


 俺は、こんなに貰える多は思ってなかったので、驚いた。


 「今回は数が数でしたのでなかなか大変でした。しかし初めてなのに凄いですね」


 「まあほとんどがコイツのおかげですけどね」


 そういって俺は、ルークを指差した。


 「でも楽しかったぜ」


 「それでは報酬の21万コインです。これからも頑張て下さいね」


 そう言うと彼女は仕事に戻っていった。


 「今日は、ありがとうな。。色々と助かった」


 「気にすんなって、これからも一緒にやっていくんだから」


 「それってどういうことだ?」


 俺はルークの言った意味が分からなかった。するとルークは一息置いて言った。


 「つまりは俺とパーティを組んで欲しいんだ」


 「こんな運のない平凡ステータスの俺でよければ」


 「あんまり自分を、卑下にすんなよ。そのステータスは良いモンスター寄せになんだからさ」


 ルークの言った事を聞いて、少し苦笑いながらに俺は言った。

 

 「それは褒め言葉としてはどうかと思うが、これからよろしくなルーク」


 「おう!こちらこそよろしくな、カイト」


 そういって俺と、ルークはお互いに握手をした。


 こうして俺は、転生して1日で良い奴だがとてつもない脳筋とパーティを組んだ。


 余談だが、運が悪くても脳筋だったら、モンスターに囲まれても何とかなるんだな…と俺は一瞬思ってしまった。


 解せぬ。




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