俺の知ってるギルドとは何か違う気がする。
俺、カイトこと山田カイトは、突然のことで頭の理解が追い付いていなっかった。突然神に、蹴られ見たことの無い場所へ落されてしまったからだ。
自分の周りを見る。するとどうだろうか、石造りの道に中世を思わせるかのような街や家屋、そして活気あふれる人達が所々で、商売や交流を行っていた。
ふと我に返った俺は、近くにいた優しそうなおばさんに声をかけた。
「すいません。このあたりに、冒険者ギルドはありませんか」
「ようこそ始まりの町ファウストへ。なんだいアンタ、冒険者になりに来たのかい。それならこの道をまっすぐ行って右に曲がった所だよ。ほら、あそこにある青い屋根で鐘が付いている所が、目印だよ」
そういっておばさんが、指差した所を見ると確かに周りと比べると一回りほど高く、一つ聳え立っていた。
「すいません、ご親切にありがとうございます。」
「いいってことよ。困ったときはお互い様だからね。それにしてもアンタあのギルドに行くのかい。あそこは他とは少しばかり違って特殊だからね、気を付けときなよ」
特殊という言葉に少し驚きを隠せないが、あまり気にしない事にしておばさんと別れギルドへと向かった。
しばらくあたりを見回して歩いていると、ギルドらしき建物が見えた。見た所少し古くなっている箇所がしばし見られるが、学校の様な3階ほどの建物に、空のように透き通った青い屋根がついていた。
やっとギルドへ着き、どのような場所かと心を躍らせ自分よりも大きな木で出来たドアを開いた。
「・・・は?」
ーギルドへ入るとそこには、石畳の上に書類が散らばり、見たことのない植物が壁に根を張っていた。それ以上に謎の腐乱集が、辺りに充満していた。
臭いを我慢しつつ、目の前にある受付カウンターのような場所へといった。
するとブロンドのショートボブで容姿は良いのだろうがで、目のクマで目つきが悪くなってしっ待っている女性が話しかけてきた。
「こんにちは、今日はどうしましたか?」
「冒険者登録をしに来たんですが、そのクマどうしたんですか」
「実は…最近仕事が溜まってまして眠れないんですよ」
「大変そうですね」
「本当ですよ、ラックさんがまた、面倒くさい事したせいで後処理が大変なんです」
ディーゼさん曰く、どうやらラックさんはギルドマスターらしく、事ある毎に厄介な案件を持ってきたり、仕事でさえも元々あった仕事の量が、倍が以上になってしまう。その為、ギルドマスターは職員からは、疫病神扱いされているらしい。
「ラックさん自体は良い人なんですよ。ただ、あの人は何かに取り憑かれてるみたいになにかしらみってくるんですよ。」
「はぁ…」
「あっ、すいません話し込んでしまって、冒険者登録についてですね。それではこちらのカードに血」一滴たらして下さい」
そういってディーゼさんは、真っ白なカードと針を渡す。それを受け取り俺は自分の人差し指に針を刺し血を落とした。するとカードに文字が浮かび上がってきた。
「えーっと、山田カイトさんですね。それではまずステータスについてですがF~Sランクで分けられておりSランクが一番高くなっています。それでカイトさんなのですが…筋力、魔力、耐久、知力がすべてCランクそして運が、Eランクになってますね」
「…この場合ってどう反応したらいいんですかね」
「ええっと、気に病むことないですよ。運だけが低くて他は平均なんですから大丈夫ですよ。運だけですって」
あの人凄いよ。良くあそこまで慰めようとして、人の傷口にタバスコ塗りたくるようなこと言ってるもん。平均的は誉め言葉ではないし、運に関してはなぜ二度も言ったよ。
大事な事だからだって?
やかましいわ!
「あの、大丈夫ですか」
「あっ、すいませんついぼーっとしてて」
「そうですか、それでは引き続きギルドカードについてですが、ギルドカードはスキルやれべるあっぷをした際に自動的に更新されるようになっています。その他にギルドカードに、金貨を入れることができます。試しにやってみてください」
試しに袋から金貨を一枚出し、カードにかざす。すると、カードに金貨が吸い込まれ、カードの右下に1枚と表示された。
「そのようにし手金貨を入れることが出来ます。出したいときは、カード出したい枚数をカードを持った状態で頭の中で出したい枚数を思い浮かべれば出てきます」
言われた通りやってみると、確かに先ほど入れたばかりの金貨が出てきた。
「でも、このカードをなくした場合はどうすればいいんですか」
「その場合でスト、またこちらにいらしてもらえれば新しくお作りします」
「それだともともと持っていた金貨がなくなったり、後から見つかった時に金貨が減ってたりしないんですか」
「その辺りは問題ありません。また血を、一滴たらせば、前の情報が戻ります。それとギルドカードは本人以外は、使用出来ないようになっていますので問題ありません」
魔法の力ってスゲー。現代の科学よりも発達してんのか。
「それでは最後にギルドの説明についてですが・・・」
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「・・・ということです。それでは、頑張ってください」
そういって彼女は一礼し、また仕事に戻ったので俺は、クエストボートのある場所へと向かった。
ディーゼさんの話を簡単に言えば、クエストはすきなのを受けてもいいけど怪我とかしても自己責任で、クエストが終わったらのであれば、モンスター討伐なら魔石を、採取系統のクエストならば指定したアイテムをギルドの受付に渡す。報酬はクエストが、完全にクリアした状態っでなければ貰えない。そして最後に、冒険者同士で殺し合いはするなといったところである。
しばらくクエストボードを眺めていると、俺よりも頭一つ分ほど背が高く金色の神のショートヘアーで、ハンマーを背負った青年が話しかけてきた。
「おっ、どうかしたのか。そんなにクエストボードとにらめっこなんかして」
「俺は、山田カイト。実はさっき冒険者になったばっかりでどんなクエストを受けたらいいか悩んでいてさ」
「そうか、俺はルーク・ロードス。俺もつい最近冒険者になったばかりでな、良ければ一緒にクエストに行かないか?」
「俺なんかでよければよろしく頼むよ」
そう言うと、ルークは握手をした。
「それでルークとしてはどんなクエストを受けたほうがいいとかあるのか?」
「俺だったら、カイトは今日冒険者になったんだろ。モンスターとの戦闘になれる為にも、討伐系のクエストをやるな。これとかどうだ?」
そう言うとルークは、あるクエストを指差す。
【ゴブリンの討伐】
・ゴブリン10体の討伐
・報酬、金貨五万枚
確かに初心者としてはゴブリンは良い経験値になるかもしれない。しかしゴブリンは集団戦を基本としているため2人ではつらいとはずである。そのことをルークに伝えようとした時、ルークは言った。
「集団で攻撃してくるけど、ゴブリン自体が弱いから何とかなるぞ。てか俺がか何回もゴブリンのクエストだけやってたから保証するぜ」
「やったことあるクエストなのか。だったらその話にのった」
こうして俺とルークは、ゴブリン討伐のクエストを受け、ゴブリンのいる森へと向かった。