ナンパは程々に
私達は今、変な2人組に絡まれています。どうしてこうなってしまったのでしょうか。
私とフィルは、謝罪などの理由で今日はマナリアさんの元へと向かいました。そしてなんやかんやあってこんなことになりました。
なんやかんやの所を説明して欲しいですか?・・・まあ色々あったんですよ。
「ねえそこのお嬢さん達、俺達とお茶でもしないかい?」
2人組の中の人がそう言いました。てかナンパのセリフが古いし、そんな顔でよくナンパしようと思いましたね。2人組の片方は、確かにイケメンですが話しかけてきた方に関しては、オークに失礼ですが痩せたオークのような人です。あと鼻の穴が広い。
「すいません、人と待ち合わせをしているので」
待ち合わせなどしてはいないが、私は嘘を付き遠回しの断った。
「待ち合わせしてるみたいだぞ、諦めろユウジ」
その男の隣にいた人が言った。しかし、
「まあ待て、もしかしたら嘘かもしれんだろ。だから俺達もその待ち人が来るまでいてやるよ」
ナンパしてきた奴がそう言った。てか息臭っ!
「馬鹿な事言うなよ、そこの2人が困ってんだろ」
もう一人の男が言う。その調子でそのナンパ野郎諸共どっかに行って欲しいと思った。
「五月蠅いぞ、アレス。これは俺が決めた事だ、口を出すんじゃない」
さすがの私も切れそうになった時、今まで黙ってたフィルが口を開いた。
「……おいそこの腐れオーク、てめぇいい加減にしろよ。さっきから聞いてりゃ人の都合も考えねえでしかも、人が嫌がっているのにも関わらず付き纏う。そんなことやってりゃもてる訳無いだろ。あとナンパすんなら、鏡見てからにしろや気色悪い」
言い過ぎな気もしますが、フィーさんナイス。
「馬鹿にしやがって、もう謝っても許さねぇぞ」
そう男は、激怒しながら剣と手に取る。その瞬間、カイトさんがその男にドロップキックを食らわせた。
ーーーー
俺とルークは、シャルロッテとフィルが男2人に絡まれていたのを見つけた。
「あれ、助けに行った方がよくないか?」
俺はルークに聞く。するとルークは、
「そうだな、とりあえず行ってみっか」
そんな感じで2人の元へと向かう。すると、1人の男が怒鳴りながら、剣を掴む。
「あれは、不味いな悪いルーク先行くわ」
「おいちょっと待て…まあいいや」
俺は、助走を付けて怒鳴っている男の胸部に、ドロップキックを食らわせた。
「大丈夫か」
俺は、2人に聞く。するとフィルは、
「……胸部は甘え、頭部を狙え」
「助けた後の第一声がそれかよ」
何故か、変なアドバイスを貰った。
「…別に助けて貰わなくても良かった。魔法で、一撃」
そういやこいつ、規格外だったわ。助けなくても良かったかもしれん。
「でも、カイトさんありがとうございます助けに来てくれたんですよね」
「まあ、一応何の役にも立たんがな、それとそろそろルークも来るぞ」
お礼をされたのが少し照れ臭かった。しかし、やはりそんなに効いて無い様だ。男が起き上がった。
「貴様ら、俺を馬鹿にしただけでなく蹴りやがって、殺してやる」
男はそう言って剣を抜き俺達の方へと振り下ろす。しかし、その剣が俺達の方へと向くことは無かった。
「お前、人のパーティーメンバーに何してんだ」
ルークは、怒気の孕んだ声を出し、男の剣を持った方の腕を掴む。すると男は、剣を握っていた手を離した。
「離せ、俺はこいつ等を切らないと気が収まらねえんだよ」
男はルークに腕を掴まれながら言った。
「そうか、なら少し眠ってろ」
ルークは男にそう言うと、男の顔を思いっきり殴った。男は吹っ飛んでいった。
「本当に済まなかった。俺がしっかりと止めていたらこんな事にはならなかった」
男はそう言って頭を下げる。
「まあ、あんたが気にすることじゃねぇよ。あいつが悪かったからな」
ルークは男にそう言った。
「確かに、あなたも少し悪い所が有ったかも知れませんが、あれが悪いんですからあんまり気にしないで下さい」
シャルロッテは、吹っ飛んでいった男を指差しそう言った。
「そう言ってもらえると有難い、次はこんな事にならない様気を付ける。それでは俺はここで失礼する」
そう言って男は、俺達にもう一度頭を下げ男を担いで去って行った。
「ところでさ、あれ死んでないよな」
俺はふと気になったので聞いた。
「まあ、死んではないと思うぞ・・・多分」
ルークは、空を見上げながら言った。
「まあ死んだとしても、ねぇ」
「…別に問題ない」
うーん、言ってることは間違っていないんだろうが人としてそれはどうなんだそれ。そう思ったが、俺の口からそれを言うことはなかった。
「まあ生きてりゃまた会うかもしれないな」
「そうですね。もしかしたら明日辺りにギルドであって何かするかもしれませんね」
なんでこいつらこんなにフラグを建ててんのかな。
「まあ、それよりもギルドに戻るか」
「そうですね疲れましたしね」
そりゃあんなことがあったら疲れるわな。まあ、お疲れさまとだけ言っておく。
「ルーク、おんぶ」
「ほら」
そう言ってルークは、腰を下ろしその上にフィルが乗った。
「…ルーク」
「なんだフィル」
フィルは、ルークにだけ聞こえるように言った。
「・・・助けてくれて、ありがと」
「おう!」
夕陽のせいかそれともべつの理由かは分からないが少しフィルの顔が赤くなっているように見えた。