プロローグ
「山田カイト17歳。バイトのため口座を作りに銀行に行ったところ、銀行強盗に巻き込まれ威嚇射撃による流れ弾に被弾。それが運悪く、急所に当たり死亡、。良かったな、珍しい死に方だぞ」
目の前に白い服を着て、白い羽を生やしたいかつおっさんが目の前で、とんでもないことを言い放った。
「死んでからいうのも何ですが、縁起の悪いことを言わないでください」
(てか変な格好してんなこいつ)
「仕方ねぇだろ、仕様なんだから。俺だってこんなモン着たかねぇよ。あと心の声聞こえてるからな、気を付けろよ」
「心の声聞こえるんですか。それよりも最初に行った事スルーするなよてか、こっち向けよ」
そういうとおっさんがいきなり吹き出し、一通り笑った後言った。
「あー笑った笑った。だって、お前が撃たれた後凄かったんだぞ。銀行内にいた奴らはパニックに陥るし、銀行強盗は、殺すつもりはなかったと言って棒立ちになってるし、警察も動けずじまい。流石にこれは笑えるわ」
「もうヤダこのおっさん。悪魔なんじゃねえの」
「悪魔じゃなくて残念だったな。俺はこれでも神様やってんだ」
「お前の様な神がいてたまるか」
自分の死に方を知っていたので驚くことはなかったが、こんな奴が神だと知って半ば呆れていた。
「別に信じなくてもいいが、お前には異世界に行ってもらうかんな」
「その異世界って魔法使えたり、モンスターとか使えるんですよね」
「勿論だ、となると異世界に行く目的とかもわかってるよな」
俺は少し考えてから言った。
「魔王退治ですか」
「そうだだからお前には、異世界に行ってもらう。」
異世界であると聞いて俺は、気分が高揚していた。ラノベであれば、この後チートを貰い、異世界で無双する為自分はどんなチートを貰えるのか期待していた。
しかし次にこいつが放った一言により俺は、絶句してしまった。
「チートとか特典は無いぞ」
しばし固まってしまったが、俺が理由を聞こうとした時おっさんは、言った。
「そんなのパワーバランスが崩れて、後処理が大変だし、めんどくせえからに決まってんだろうが」
こいつ言いやがった。パワーバランス云々はともかく、めんどくせえって理由でふざけた事をぬかしやがった。
「そういう訳だからさっさと行ってこい、この穴から落ちれば、行けっから、さっさと行け」
指を指された所を見ると、人一人が通れそうな穴があり覗くと、地面があった。
「まあさすがに手ぶらじゃあれだからな、餞別をくれてやる喜べ」
そう言うとおっさんは、金貨の入った袋と、黒のローブ、そして短剣を渡した。
「それと言ってくが、言語や文字とかは日本語と変わらんし、金貨1枚で1円みたいなもんだからその辺は問題無いぞ」
おっさんがそういった後俺は、おっさんから貰った短剣をまじましとみていると
「なんか淡い期待とか持ってそうだから言っとくが、その短剣そこらへんで売ってるただの短剣だから、エンチャントとかついてないぞ。ローブも俺の家にあった、俺のお古だ大事にしろよ」
やっぱりかと俺は落胆した。てか、家にあった使ってない物を押し付けるなよ。
「さて、そろそろ次の奴が来るからさっさと行け」
ゲシッ!
そう言うとおっさんに、蹴り落とされた。痛ぇ。
拝啓 お父様、お母様
俺、山田カイトは、異世界へ行くことになりました。でも、チート無しでこの世界で生きていけるかが、心配です…
p,s、神とか言ってたおっさん。お前は、絶対許さん。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
何か至らぬ点や、ご指摘があれば、アドバイスなどを頂けると有難いです。