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第二話 「初めての遭遇」

二話目の投稿になります。

なかなか展開が遅くてすみません。



はぁ・・・

本当になんという事でしょう

う~ん、さっきはノリで「転生したようです」とか言ってみましたけども・・・・

これって本当に転生なんですね?

そも転生の定義とは?


これが夢じゃないのだとしたら逆に、前世(仮)の記憶を持ってると思ってるだけでそもそもそれが自分が胎児のときに見ていた夢だったとか・・・・

そのどちらにしても前者は赤ん坊転生なんて夢を見てしまうレベルで現実逃避してるヤバい人、後者は胎児期から確固とした自我があるヤバい子であるのだけど・・・・

まぁこの場合本当に自分が赤ん坊であるほうが圧倒的にリスクがあるわけですから取り敢えずは「今自分は本当に赤ん坊である」と仮定して動いたほうが良さげですね・・・。


よしじゃあ「転生(仮)」を念頭にまずは状況の確認といきますか。


うん、まず自分ですがベッドっぽいものに寝かされてますね。

っぽいっていうのも、視界が狭いし滅茶苦茶ぼんやりしてるんだよね色とか形の認識がままならんのよこれが・・・・

さっきの「知らない天井だ~」の下りも今は見直せば単純に視界がはっきりしないからぼやけた白が、真っ白で光が反射してるように見えただけみたいだし、「豪華な照明~」もこれまた天井同様ぼやけてるのがキラキラ反射してるように見えてただけだと。


これじゃぁ本当はどうなってるのかわかったもんじゃないな・・・・

一瞬「生活水準は結構高めかぁ良かった~」とか思ったのに・・・不安しかないじゃないっすか・・・・・


てかそもそもの不満が。

こう言う転生系ってのは基本的に生まれた時点であるある程度五感は出来上がってるもんじゃないの?!早熟なんじゃないの?!違うの?!

大抵生まれてすぐから0歳の間には、「歩ける・喋れる・魔法使える」の三拍子じゃないの?!あ、でもここ魔法ないか?

まぁ、魔法がないにしても歩ける・喋れるは必須じゃないの?!

首すら座らず寝返りすら打てないんですけど?!舌も回らずあ~う~しか発音できないんですけど?!

只でさえ転生ものの典型イベント「死後の神から転生に至る経緯説明イベント」と「詫びチート授与イベント」すっ飛ばしてんだけど?

ねぇ、こういう時って普通ちゃんと説明あるもんじゃないの?チートプレゼントしてくれもんじゃないの?そう言う工程全くなかったんですが?何なの?死ぬの?

死ぬの?ってかそういえば一応「前世(仮)」ってことは死んでね?死んでることになるよね?全く覚えてないんだが・・・


こうなる直前のことを思い出そうとする子宮のなかで目が覚めたところよりも記憶を遡ろうとすると激しいずつに襲われた

この頭痛には覚えがあった。実に不愉快極まりない頭痛であるが、思い出せない記憶のヒントには十分だった。


はぁ、この頭痛ってことはやっぱり「あいつら」が関わってることに間違いないのだろう。

本当に碌なもんじゃないな。頭痛を和らげるため天井を仰ぎめを閉じる。


「あいつら」とは前世(仮)の家族のことであるが、そう呼ばれるほどのことをしたのだ今更この呼び方を正す気はない。

あ”ぁ”~思い出すだけでも頭痛が悪化する。

まぁ、知りたいことヒントだけでもすぐに分かったのだ、思考を現状把握に戻そう。


視界がはっきりしないせいで正確な生活水準は分からんが、とりあえず赤ん坊用のベッド(っぽいもの)としっかりとした壁と屋根がある家があるという事はまぁそこそこの生活水準には達しているのだろう。それが分かれは物的環境面はそこまで問題ではないだろう。


チートも何もなく、体は一般の赤ん坊同様未熟な状態で、生活水準底辺のスラムにでも生まれたいたら本当に救いようがない。

スラムではそもそも出産に必要な設備があるとは思えないし、なまじ無事生まれたとしても十分な食料や安全な衛生環境ががあるとも考え難い。

つまりはチートを持たない一般の赤ん坊のように高確率で生まれず死ぬか生まれてすぐに死ぬ運命だろう。

もし自分がスラムに生まれていたら・・と言う可能性を考えると思わず身震いをした。

今はこの場所で無事生まれたことに素直に感謝しておこう。

いるのか知らんが神様ありがとう。


さて、次に問題なのは人的環境だな。

再三言うが自分は転生系主人公たちと違い何らチートも何も授かっておらずまんま一般の赤ん坊同様の未熟ピーポーである。

よって・・・・世話をしてくれる人間がいなくては食事一つ自分ではままならないということだ。

人は食べられなければ死ぬし、それが赤ん坊ともなれば不衛生であるだけでも感染症で死ぬ。つまりはこうした自力でできないすべての世話、・・・・食事・入浴・排泄・衣服の着脱・清潔を補ってくれる大人の存在は不可欠になってくるのだが・・・・・

これに関して、どうにも不安がある。

なぜかって?考えてもみてくれ、今自分が起きてから結構な時間が経っていると思うんだ。

時計がない、と言うか見えないから正確ではないだろうがもう4・5時間もしかしたらそれ以上かもしれないがそれだけ経っているにも拘わらず・・・・・未だに人っ子一人遭遇していない。

大した事は無いように聞こえるかもしれないが今の自分は昨日生まれたばかりの赤ん坊なのだ。マジ超乳児。いつ死んでもおかしくない。乳児なんて本当に急に死ぬもんんだぞ?

乳幼児突然死症候群なんて名前知らないにしても昨日生まれたばっかの赤ん坊を全く様子も見ずに4・5時間放置するってなかなかないと思おうんだよ。

生まれたばっかの赤ん坊の生に対して驚くほど無頓着すぎるだろう?

これが人的環境に対する不安だよ。

一応ベッドや照明、自分に着せられている産着って言う必要最低限の物・環境が整ってはいるのだから「さっさと殺そう」とは思われていないのだろうが、「生積極的に愛情込めて世話をする気はない」と言う事なのだろうか。

まぁまだそうだと決定づけるにはまだ時期尚早と言うものだろう。

何かしら都合や事情と言うものがあったのかもしれない。


不安は残るがゆっくりと様子を見ていくしかできなさそうだ。

取り敢えず今すぐ死ぬということはないと分かれば今はそれでいいだろう。

そうと分かればもう一つの目先の問題の解決といこうか。

そう腹が減った。

起きて4・5時間大人であれば少々腹が減ったくらい・・・・と思うところだろうが、侮ることなかれ。

赤ん坊の空腹マジヤバい、本当に辛い正直なとこと間が覚めた時から何となくうっすら腹減ったなぁって思ってたけど!3時間目ぐらいからは本当にヤバい、空腹で胃が痛くなるし

ひもじい、あまりのひもじさに悲しくなり涙がボロボロと溢れそうになったが死ぬか生きるかの状況把握が最優先事項だと自分に言い聞かせ何とか涙を食い止めていた。

だが、それが今すぐ死ぬという危険性は低いということは分かったのだ。

ならばもう我慢せずとも良いだろう。

ただしこの数時間で待っているだけでは人は来ないことが分かっている。

必要がなければ一切誰も来ないスタンスなのだろうか、実に厄介だ。

用があれば呼べと?大人ならそれでいいかもしれんが、赤ん坊だぞ?赤ん坊に何を求めてるんだ本当に。

しかし、現実問題呼ばねばならないが・・・・

「うぁーうあうあー(おーいだれかー)」とまぁ、こうなるよな・・・・・

これで来てくれるだろうか・・・・・



(一分経過)


デスヨネー

案の定来ませんよね、えぇ分かっていましたとも。

世間一般赤ん坊の意思表示は決まってますもんね。

はぁ、やっぱりアレやらなきゃだめですか?いやぁ流石にちょっと抵抗が・・・・

いやだって一応大人としての尊厳が


ぐぅ~


腹が鳴った

・・・・・・・・・

やるしかないか・・・・・・くっ・・・背に腹は代えられんっ・・・・


覚悟をきめ、筋肉等ほとんどついていない赤ん坊のふにふにのやわらかい腹に精一杯の力を籠め大きく息を吸った。



白を基調とした小さくベッドと照明しかない簡素な部屋でこの日初めて発せられたのは少し控えめなそれでも十分な大きさのある赤ん坊の泣き声だった。


くっ、もういっそ殺せっ!いや本当に殺されたら困るけどもっ・・・・・

大声で真面目に赤ちゃんプレイをする事への羞恥から顔が上気するのを感じていると、近づいてくる足音に気が付きぐっと身構える。


出産時はずっと目を閉じていたため生まれてから初めて見る人間だ。

どうやら自分は緊張しているようだ。力を込めて握った手にじんわりと汗がにじむ。

近づいてきていた足音が止まる、部屋ドアの前に立ち止まったのだろう。

ギッと言う僅かに金属のがこすれるような音とともにキィと扉が開く音がした。

すぐに足音が近づいてきたかと思うと人影がベッドの横で立ち止まる。

どうやら女性のようだ、きっと彼女が現世の自分の母親なのだろうとあたりをつける。

長く黒い髪が後ろで一つにまとめられているのか、ゆらゆらと僅かに揺らめいていた。

ぼやけてはっきりとは見えないがその動きが何となく面白く感じたのは赤ん坊になったからだろうか。

その女性は自ら衣服の胸元をはだけはせるとそこに隠されていた胸を露わにした。


この時点で自分は随分と動揺した。自分が赤ん坊であるということはこう言う可能性があることをすっかり失念していたのだ。

呆然としているうちにすっと両手で抱き上げられ胸元に頭の位置を固定される。


てっきり哺乳瓶で調乳した粉ミルクを提供されると思っていたがまさか母乳とは・・・・・

しかしそう来るならば仕方あるまい。今更この空腹に抗うことなど出来はしないのだ。

遅いか早いかの違いならば早いほうが良いに決まっている!!っと覚悟を決め目を閉じソレを口に含んだ。

吸啜(きゅうてつ)反射というのだったか、あまり意識せづとも母乳を吸うことができた。

暫くし腹が満たされてきたころ口からソレを離され肩に上半身を乗せるような抱き方に変えられたかと思うと背をトントンとリズムよく叩かれる。

あのひどい空腹が満たされかつ背中をリウム良くたたくそれを心地よく感じていると


ケプッ


ゲップが出た・・・・・一瞬固まるが再度自分は赤ん坊なのだと思い返しあきらめる。

ゲップを確認した女性が自分をベッドに戻すために一度抱き方を戻そうと上半身を動かす。



自分はここに生まれて初めて接した人間に予想よりも丁寧に扱われ、僅かに期待してしまったのだと思う。

そうでなければこの時、この女性の表情などまだはっきりしない視覚で何とか捉えようととなど思わなかっただろう。

そして、懸命にその表情をとらえたことを後悔した。


自分の抱き方を変えお互いの顔と顔が最も近づくその時にぼやける目を凝らし、なんとか捉えた女性の輪郭は・・・。


その表情はまるで汚物でも見るような嫌悪と憎悪が入り混じった酷く歪んだものであったのだから。

お読みいただきありがとうございました。


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