第一話 「どうやら〇〇したようです。」
初めまして、
拙い作品かとは思いますが楽しんでいただけらば幸いです。
んん・・・・ふぁ・・・・ねむい・・
今何時だ?・・・てかいつの間に寝てたんだ?
全然眠った記憶がないんだが・・・まだ寝たいのはやまやまだが・・・起きねば・・・・
・・・ん?
・・・・は?
ふぁ!?
んっっ!!はっ?!なんだこれっキモイっ!てか狭いっ?!なんなのこれ?!と言うかどこだこれ?!
目が覚めたと思ったこれである。
本当に何なんだこれは・・・
粘度が少しある液体とぶにょぶにょとした袋のようなものに全身をすっぽりと覆われ身動きが取れない。
粘度のある液体によって袋のようなものが体中にぴったりとまとわりついて非常に不快だ。
どうにか抜け出そうにも、遮光性なのか全く光がなく手元すらおぼつかないため手の感触を頼りに触ってみるが、口のようなもんは見当たらないようだ。
いったいどんな素材なのか知らんが、もうこれは破るしかないのだろうと思いどうにか破ろうと手足で周囲を殴ったり蹴ったりとして見るが弾力性と柔軟性に優れているのか一向に破れる気配がない。
一点集中的にダメージを与えようとするが全く歯が立たない。
動き回ったせいで最早上も下もわからなくなってしまった。
暫く足掻いていると時折袋のようなもの全体が外側から内側に向けて圧力を掛けてくるようになった。
なんと言うか、絞り袋で生クリームを絞るようなの圧力のかけ方と言ったらイメージしやすいだろうか?
まぁ、ともあれこれが中々辛い。
只でさ身体にぴったりとくっついているにも関わらず、さらに圧力を掛けられては苦しいのなんの。
これ以上圧迫される前に何とかここから抜け出さねば圧死されかねん。
さぁ気を取り直してリトライするかぁ・・・・・。
そうして抵抗続ける
◇
そうして抵抗を続けること数時間、今自分はとても焦っています。
いやもう本当にヤバい気がしてきました。
なぜかって?さっきから一回にかけられる圧力と圧力掛けられる間隔が明らかに強く・早くなってるんだよ!!
それに繰り返される圧力による疲労に体力はもう限界・・・
さっきまでの抵抗ってマジ無意味だったんじゃ・・・
てか、むしろこの圧力誘発させてたりしない?しないよね?
くそぉ・・だめか・・・・
むなしい抵抗とは思いつつも、力を振り絞り身体を動かした瞬間、今までの中で一番強い圧力を掛けられた。
ちょっ!むぅりぃ!!やぁめぇてぇ!苦しいって!!
ちょっマジむりほんとに無理だって死ぬ!死ぬって!!死んじゃうって!!
抵抗しようにも身体は思うように動かず、狭い袋の中のため逃げ場もない。何も見えためそうなっているか定かではないが、酸欠と疲労で視界はぼやけそろそろ暗転しているのではなかろうか。
真面目に自分の死を覚悟した。
あぁ、最後ぐらい楽に死なせてくれればいいものを、本当にクソみたいな人生だった。
自分の死を受け入れるように目を閉じた。
ずるり
先程まであった圧迫感がなくなり、瞼越しに強い眩しさを感じる。
何やらあたりが騒がしい、人がいるようだ。
まぁどういう状況かは知らんが突然人間が袋から現れたら、そらどんな不審者だとザワつかれても仕方あるまい。
身体は湿っており、袋から出たため外気に触れ肌寒さを感じるが、先程までの息苦しさや不自由さを考えればこのぐらいは何ともない。
はぁつかれた。ここがどこでだれが自分をあんな目に合わせたのかはわからんが、とりあえず今は休みたい。
動くどころか目を開くのすら億劫だ・・・・寝るかぁ・・・
眠るために意識を手放そうとした瞬間何者かに足を捕まれたと思うと身体が宙に浮く。
はぁっ?!いやいやいややいやなになになにっっっっ!!!!
へっ?!ういてっ?
突然の浮遊感にパニックを起こしていると
パァァァァァン
破裂音が轟く
次いで
激痛、
あまりの痛さに意識が覚醒を通り越して無くなるところだった。
尻が痛いっ
どうやら今の破裂音は自分の尻と、それをおもいっきり引っ叩いた何者かによって発せられたようだ。
「人間の尻とはこんなに見事な音がするものなのか」と、頭の隅にそんな言葉がかすめたがそんな冷静さは今は必要ない
そう今必要なのはこの痛みをは放出すること。
つまりは、叫ぶのだ。全力で。
いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!
と、叫んだはずだった。
だがその場に響いた声に自分は驚愕した。
「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
はて、自分が叫んだと同時に赤ん坊が泣き、その声に自分全身全霊の叫びがかき消され、あたかも自分が「おぎゃぁ」と叫んだように錯覚したのだろうか?
ふむ、そうに違いない。うんうん、まっさか無意識に赤ちゃんプレイ宜しく「おぎゃぁ」等と鳴くはずがない。
そうして一人納得していると、この場で最も聞きたくない台詞であろう言葉が自分を宙吊りにしあまつさえ尻を引っ叩き素晴らしい破裂音を奏でたであろう何者かから発せられた。
「奥様っ!泣きました!!!誰か旦那様をお呼びしてっ!!」
ガッデム・・・・・
なんてこったマジか・・・いや待て、もしかしたら奇跡的な確率で偶然真横で赤ん坊が生まれただけかもしれない、うん、その可能性も十分ってねぇーよ
流石に無理がありすぎる。
えぇ・・・じゃあなにか?
最近よく聞く転生ものか?
運よく前世の記憶持ったまま生まれてきちゃったぜ~てへぺろ☆みたいな?
いやいやいやいや現実味がなさすぎませんか?
夢ですか?
ハッ!!!そうか夢か!!!その発想はなかった!!あまりにありえない状況過ぎて一番最初に思いつくであろう可能性に気づいていなかった!!
しかしだ、そうと分かれば安心安心、
目が覚めれば全部解決!万事OK!よしよし、これで安心して眠れると言うものです。
さぁ、では皆さんおやすみなさい
そうして意識を手放す最中
女性の「ヒッ」息を呑む音と男性の「なんだこれは・・・・」と言う声が聞こえたが最早意識を呼び戻すには至らず、意識は沈んでいった。
◇
皆さんおはようございます。
いやぁやっぱり昨日のあれは夢でした!ってね?
ならないんですこれが
マジか、ここどこよ。。
あれですか?「知らない天井だ・・・」パティーンですか?
はい、その通りっぽいですね
知らねぇよこんな真っ白で高い、なんかめちゃめちゃ高そうな照明ついた天井なんて
どこよここ
案の定、昨日あの苦行はまさに自分出産のそれであったようです。
いやぁ、誰が「あれ?これ自分の出産じゃね?」って気付けるの?無理でしょ?!
はぁ、どうすんのこれ
どうやら自分は転生したようです。
お読みいただきありがとうございました。