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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集 冬花火

しあわせは腕の中

作者: 春風 月葉

 彼の太く大きな腕は、ついに最期まで私を抱いてはくれなかった。

 その腕は今、私の細すぎる不健康な白い首に向かって伸びている。

 喉に強い力が加わり、息をすることもできず苦しいはずなのに、初めて見る彼の必死そうな顔が可愛らしくて、つい笑みがこぼれてしまう。

 雨が強くなっていく、彼の身体は先程から小刻みに震えていた。

 彼はきっと寒いのだろうと私は勝手に結論づけた。

 私は彼を感じてこんなにも熱いのに…。

 脱力しきったまま、彼の行為を受け入れる。

 抵抗なんてしない。

 初めて彼が私にしてくれたことなのだから。

 彼の腕の力がまた少し強くなる。

 ボキリという鈍く大きな低音が鳴り響き、私の視界は大きく傾いた。

 死、彼が初めてくれたもの。

 あゝ、なんて幸せなのだろう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 裏切られた‼️ [一言] 幸せな気分になりたかったのに~でも作品としては好き
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