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初級魔法

「ヒロ様…。何もすることがありませんね…。」


「あぁ。そうだな…。」


「…。」


「ヒロさん。何もすることがありませんね。」


「そうだな…。」


「…。」


「…。」


〈ヒロ様。何もすることがありません。〉


「そうだな…。」


「…。」


「…。」


〈…。〉


「ワンワン。ワンワンワンワン。」


「そうだな…。」


「…。」


「…。」


〈…。〉


「…。」


俺たちは、パーシヴァル が言った通りに二手に分かれた。

分かれ方は、グランとパーシヴァル が赤兎馬に乗って行き、俺、ヘス、クララ、シロが馬車と盗賊たちの見張りだ。

俺たちも最初はダーク・スパイダーが仲間を奪い返しに来るかもしれないと考えて、警戒していたのだが、何も起こらずに今に至っている。


「あのー。ヘスさん?」


「何ですか?」


「魔法を教えていただいてもいいですか?」


「いいですけど…。」


「私はヒロさんの役に立ちたいんです。でも…今のままだったら…。」


クララの杖を握る力が強くなるのが分かる。


「わかりました。」


「あっ。俺にも教えてくれない?」


「いいですけど…。」


「そんなことしたら、私が魔法を習う意味がなくなっちゃう。」


頰を膨らませながら怒るクララは…可愛い。て・ん・しかもしれない。いや、天使である。


「まぁ。そこまで起こらなくても。俺だって、魔法がライトしか使えないのは悲しいんだよ…。」


ライトを使ったら火がついたりすることもあるから、その火を消すために水魔法とかがいいな。


「うぅ〜。まぁ、私にヒロさんが魔法を覚えることを止める権利はありませんし…。」


「じゃあ、二人ともに教えさせてもらいます。では…各属性の初級魔法である『ボール』魔法を先ずは覚えてもらいましょう。」


「そうですね。人によって属性に得意不得意はありますが…。私は全属性を使えるようになりたいですし。」


「俺もそれでいいよ。」


「では、使い方をお教えします。」


「詠唱ですよね?」


「いいえ。」


「?」


クララがキョトンとしている。


「確かに詠唱も魔法を使う方法の一つです。しかし、他にも魔法を使う方法はあるんです。」


「そうだったんですか…。それで、どうすればいいんですか?」


「世界と一体化し、心の中ではっきりと魔法が発動した時の状態を思い浮かべるんです。」


「大地と一体化…。」


うーん…。難しそうだ…。


「抽象的な表現ですが…これが出来なければ話になりません。」

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