断罪のパーシヴァル
「私の『焔の剣舞』をお見せしましょう。」
そして、手に持った二つの剣を交差させた。
「一の型。『焔の短剣の雨』。」
焔の剣が宙を踊る。辺りが明るくなる。そして、数秒後に再び明るさが元に戻った時にはダーク・スパイダーと名乗る盗賊たちは燃えて、地にはっていた。
そんな中、流石というべきか、リーダーとみられる男が辛うじて意識を失わず、顔を持ち上げ呟いた。
「この炎の魔法は…。お前…思い出したぞ…。どこかでみた顔だと思ったんだ…。『断罪のパーシヴァル 』…。聞いていた以上に強力だったぜ…。」
もう十分戦闘は無理そうなので、火が燃え広がることを防ぐためにパーシヴァルがダーク・スパイダー全員に水をかけて、火を消した。
「僕のことを知っていてくれてたんだね。」
「ハッ。お前の名前を知らない奴なんてこの国にいないんじゃないか?まぁ、顔はそれ程知られていないがな。」
何故か余裕のある笑みを浮かべてダーク・スパイダーのリーダーは言う。
「そうか…。僕もそんなに有名になったんだね…。」
「話はここまでだ。」
そう言って懐から瓶のようなものを取り出し、地面に叩きつけた。
「!」
パーシヴァルから、焦ったような空気が流れる。
「じゃあな。俺はダークスパイダーの首領カルミネール・クロッコの子供、ゴルネール・クロッコだ。また、縁があったら会おう。次は今回のようにはいかない。」
そう言ってすぐに、ゴルネールの姿はかき消えた。
「どこに⁉︎」
俺は、思わず叫んでしまった。
「もう、安全なところに逃げてしまったんだよ…。僕がしっかり倒し切らなかったから…。」
「転移魔法をゴルネールが使ったって言うことですか!?」
「いや、正確には、ゴルネールは、転移魔法が封じられた魔術瓶を使ったんだ…。」
「魔術瓶?もしかして、さっきゴルネールが割っていたやつですか?」
「あぁ。」パーシヴァルが頷く。「しかし、転移魔法の魔術瓶か…。おそらく100ゴールドはするだろうけど…。そんなものを使えるあたり、ダーク・スパイダーはかなり大きな盗賊団かもしれないな…。」
「…。」
「パーシヴァル様。この、他の盗賊はどうしましょうか?」
今まで気配を消していたヘスが、パーシヴァル に話しかけた。
「あー。もう王都も近いし…。よし、一度二手に分かれて、片方が見張り、もう片方が王都まで報告に行こう。」




