番外編⑤ 農民上がりのギルド長。その名もパーシヴァル。〜僕、グリーズマンと仲間になりました。〜
僕たちは「暁」を出て、グリーズマンの冒険者登録に向かった。グリーズマンはすぐに袋から銀貨を取り出していた。さらにその袋の中にはもっと銀貨が入っていそうだった。
「何で冒険者になろうと思ったんだろ…。」
小さな声でつぶやき、僕は改めて隣に立つグリーズマンを見た。先ほど「暁」にいたときにはあまり気づかなかったが、かなり背が高い。185cmはあるんじゃないだろうか。
「これで俺もぉ、冒険者かぁ。」
首から提げた木証を指で撫でながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「そうですね。ところで、何で冒険者になろうと思ったんですか?」
「それはぁ、秘密〜?」
「秘密って…。何か言えないような理由なんですか?」
「まぁ〜、そんな威張って言えるような理由ではないよねぇ〜?そんなことよりぃ。クエストやっちゃおうかぁ〜?」
「…。まぁそうしましょうか。」
クエスト。そう、僕たち二人はクエスト達成のために町の外へ向かっていた。クエストは、カウンターの隣に適当に貼り付けてある。難易度は書かれていないため、自分たちの実力に見合ったものを見抜いて受注しなければならない。この力がなければあとは死ぬだけだ。
「スライムってぇ、強いのかなぁ?」
「それほど強くないと思います。僕の過ごしていた村でも時々スライム狩りに村の大人たちが行っていましたよ。」
「そうなのかぁ。」
そう言ってグリーズマンは、手に持った大剣を片手でブンブン振り回す。ちなみに剣を持たない方の手にはこれまた大きな盾を持っている。
「腕力すごいですね…。」
「そうだろぉ。俺は腕力だけが取り柄なのかもなぁ。」
グリーズマンは、顔をくしゃっとして笑った。
木の陰から顔を出し尋ねる。
「あれ、スライムですよね?」
「多分そうだと思うよぉ〜?」
「1、2匹か…。」
僕は父さんにもらった剣のを握り、気合いを入れる。
「グリーズマン…さん。近づいたら、とにかく一人一匹です。一人一匹づつ倒しましょう。」
「わかったよぉ〜。」
「じゃあ、3、2、1。」
そうカウントダウンしてから、僕たちは飛び出した…はずだった…。
「ちょっとぉ〜。待ってよぉ〜。」
「えっ!」
「いきなり飛び出さないでよぉ〜。」
「3、2、1ってカウントダウンしましたよ⁉︎」
「3秒なんかじゃ準備できないよぉ〜。あっ…!スライム近づいてきてるよぉ〜。」
「ッ!!話はあとでっ!」
「じゃあ〜。右のスライムは僕が倒すねぇ〜?」
「わかりましたっ。」
僕は左のスライムに狙いを定めた。




