パーシヴァル からの招集
ギーッ。
この扉をくぐるのももう何回めだろうか。
扉を開ける音にはじめの頃は緊張していたのだが、今となっては緊張どころか心落ち着く音色だ。
俺は、チラチラと視線を送ってくる冒険者たちを横目に見て、カウンターへと進む。まぁ、彼らは、俺を見ているのではなく、俺の後ろについてきているヘスを見ているのだろうが…。
「アイリーンさん。」
「はい。ヒロさん。そして、ヘスペリスさん。お待ちしていました。わざわざありがとうございます。」
「いえ。こちらこそお待たせしてしまい申し訳ありません。」
アイリーンさんにそんなに恐縮されると周りからの視線が痛い。
「では、こちらへどうぞ。」
腰を少し折ってお辞儀をし、アイリーンさんは俺たちを連れて客間へと入った。最後まで周りからの視線が痛かった。こればかりは、いくらギルドに慣れてきたからといって、同じように慣れるものではない。
「こんにちは。…いや、もうすっかり日も暮れてしまいましたね。こんばんは、ヘスペリスさん。」
「…こんばんは。」
「遅くなって申し訳ありません。パーシヴァルさん。」
俺は、一歩前へ進み出て言った。
「いや、それほど待ってないよ。おそらく、食事もとらずに来てくれたんだろう。ありがとう。」
パーシヴァルは一度、今まで座っていた椅子から立ち上がって、俺たちに椅子にかけるように促した。
「では…。」
俺たちが椅子に座ると、アイリーンさんが水を用意してくれた。紅茶ではないのは夜だからだろう。
一度水に口をつけ、パーシヴァル は切りだした。
「今回来てもらったのにはもちろん理由がある。」
「俺たちに、クエスト依頼ですか?」
「いや、そうじゃない。確かに今は、魔人たちの目撃情報なども入ってきていて、大変な時期かもしれないけどね…。」
「…そうですか。」
魔人たち。ダーク・エリオンのように強い奴が他にもいるんだよな…。
「では、なんの理由があるんですか?」
「それなんだが…、君が僕の臣下になっただろう?それを国に報告したんだ。」
「もしかして、私とヒロが臣下になったことを批判する人がいたのですか?」
…。確かに、俺は何処の馬の骨かもわからない奴だしな…。
「そうじゃないんだ。国に伝えたら、喜んでもらえたよ。」
「じゃあ、なんなんですか?」
「それは…、君たちに王都に来て欲しいそうなんだ。このカルディア王国、現・国王が…。




