目撃情報
「本当に良かったです。言い忘れたことっていうのは…、あの森に魔人が住んでいるという噂です。」
お、なんか思ったより重要そうな話だ。
「魔人ですか…。目撃情報があるんですね?」
「はい。信用のできるAランク冒険者の方が、数ヶ月前から何度か魔人があの森の中にある城に出入りしているのを見たそうです。」
えーっと。
「城って…、あの森に二つありますか?」
「いいえ。何故そんなことを?」
危なかった。俺が入った城に魔人が住んでいたのか…。でも、俺が入った時には誰もいなかった気がしたけどな…?
〈もう別の場所に移ったのではないのでしょうか?〉
なるほど。それにしても本当に危なかったよ。今の俺じゃ勝てないだろうからな…。
〈えーっと。非常に言いにくいんですが…。おそらく、ダーク・エリオンがその魔人だと思われます…。〉
…。なんか、もう話について行けなくなって来た。
一応確認しとくけど、ダーク・エリオンってあの角がはえた厨二病の頭おかしいやつだよな?
〈もちろん。その他にいるわけないです。〉
なんてことだ…。あいつあの城に住んでいたのか…。だから、合成獣とかいたんだな。合成獣生成ってスキルがダーク・エリオンにあったからそれで生成されたんだ。最初のゴブリンも違和感の正体を過去に戻ってくるまでに調べてたら、ゴブリンに水かきとエラが付いていたんだ。それも合成獣ってことだな。
「えっと…。その城に入りました…。」
俺は、少し言葉に詰まりながらアイリーンさんに事実を伝えた。アイリーさんは、少し顔を引きつらせて応えた。
「あ…。魔人はいなかったんですね…。ご無事で良かったです。」
まぁ、魔人は別の場所で見たんだけど…ややこしいから言わないでおこう。でも、城の中の魔物ぐらいは報告しておこう。
「えっと…城の中には、レベル80くらいの合成獣と、レベル105くらいのキング・クライって魔物がいました。」
「えっ!レベル105ですか⁉︎よく行きて帰ってこれましたね?」
心底心配しているようだ。
「はい。俺が頑張って倒しました。」
「ッ!倒したんですか⁉︎」
なんだか驚いていらっしゃる。もしかして、逃げて帰ってきたと思ってた?
「それと、キング・クライなんて魔物初めて聞きました。」
ギルドの受付嬢が知らない魔物がいるのか…。
てか、そんな魔物の名前を俺が知ってるって不自然じゃね?
「ヒロさんは物知りなんですね。」
アイリーンさんがその一言で流してくれたのが救いだ。




