表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/79

落胆

俺は、落胆した。


異世界に転生して、活躍できると思っていたのに。

そのために、最初からレベルが240くらいあると思っていたのに…。


そう俺のギルドカードの色は白色。

レベルが1だったのだ。


心なしか、ギルド内の人々も期待を裏切られたような顔をしている。

いや、ライバルが一人消えて嬉しそうにしている人の方が多いか…。


まぁ、でもそんな烏合の衆のことはどうでもいい。

悲しいのは、アイリーンさんが受付カウンターの中で落胆していることだ。


もう、これで彼女と話すことはないかもしれない。

その一方でヘスは、平然としている。


ヘスはいいよな。

顔がいい上に、強くて。

どちらか、片方でも分けて欲しいよ。

てか、今気づいたけど俺って今どんな顔してんの?

死んだ時のままかな?

まぁ死んだ時の記憶も曖昧だし、記憶の整理ついでに後で確認するか。

閑話休題



「では、確認します。」


アイリーンさんの声が心持ち暗い。


そんなに俺に期待していたのだろうか。


うん。そんなことを考えるな。


俺は、冷静にいるべきだ。


異世界に来た時も冷静だったじゃないか。


こんなことで取り乱すな。


俺はなるべくアイリーンさんの方を見ないようにしてそんなことを考えていた。


「ヒ、ヒロさん…。」


アイリーンさんの声がする。


しかも、声が震えている。


そんなに俺が雑魚かったのだろうか。


アイリーンさんの顔が見たくない。


おそらく、俺を心の中では馬鹿にしているに違いない。


しかし、顔を上げなければ。


俺は、重い顔を上げた。


しかし、そこにあったのは落胆しているアイリーンさんの顔ではなく、希望に満ちた顔だった。


「素晴らしいです。」


俺にはなにが素晴らしいのか、理解できていない。

俺はレベル1なのですよ。


とにかく、アイリーンさんが俺にもう一度ギルドカードを見るように言ってきたのでみてみよう。



「レベル1 ヒロ

HP4600 ATK4600 MP6400」



へ?

あれ?一桁間違えたかな?


「素晴らしいです。」


再度アイリーンさんが言う。


「レベル1でこんなにステータスが高い人は、歴史上でも確認できません。」


「おそらくこのステータスは、レベル80並みでしょう。」


おー。

いきなりすぎて、また脳みそが付いて行かなくなりかけた。


我ながらチートだ。


やはり転生者には、チートステータスが備わっているらしい。


とにかくよかった。

ヘスより強くて。


これで主神の面目が保てる。


ていうか待てよ、ワイバーン、逃げずに俺が倒せたんじゃ…。

ヘスにかっこ悪いところ見せてしまった。


でも、これで異世界ハーレムライフが始められる。


では、ここでどこかで聞いたセリフを。


「ハーレム王に、俺はなる!」


あっ。もちろん心の中でしか言ってないよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ