純白の狼
出てきたのは…。
「狼か!」
そこには白い毛に包まれた巨大な狼が現れていた。
「もしもーし…。そこの狼さーん。仲良くやりましょう。」
俺は語りかける。何故って?そんなの怖いからに決まってるでしょ。
まだ、怖いという感情はあるからね。
そんなことより、通じてる?
狼が歩みを止めたのだ。
「そのまま。そのまま。」
俺は再び語りかける。
狼は姿勢を低くしている。
友好的にしてくれるのだろうか?
しかし、俺の思いは虚しく、狼は俺にまるで稲妻のように飛びかかってきた。
おそらく、姿勢を低くしていたのは、飛びかかるためのモーションの一部だったのだろう。
おっと。
分析してる場合ではない。
俺は、素早く回避する。
シュッ。
俺の顔の横を狼の手が通り過ぎて行く。
「あぶねっ!」
なんて奴だ。顔を狙ってきやがった。
殺す気満々じゃん。
狼は、そのまま綺麗に着地する。
そして、こちらを見て唸った。
まるで地が震えるかのような低い声でだ。
そして、再びこちらへ向けて走ってきた。
一歩踏み出すたびに地面が揺れる。
そして、今度は飛ばずに足元を狙ってきた。
っ!
アキレス腱を狙ってきやがる。
魔物のくせに知能高いな。
そして、二度攻撃を避けられた狼は唸る。
「落ち着いて!」
俺はもう一度話しかけてみる。
しかし、やはり通じない。
相変わらずこちらを見て針のように尖った歯を出して、唸っている。
そんな時…
〈なんでテレパス使わないんですか?〉
っ!?
また、セイバーがいきなり話しかけてきやがった。
「あー。テレパスね。そういえばあったな。」
俺は、本当にテレパスの存在を忘れてしまっていた。
だって、色々なことがありすぎるからな…。
まぁ…。セイバー、よろしく!
〈わかりました。テレパス起動。〉
俺の周りに青色の魔法陣が生まれる。
そして、消えて行った。
へ?何今の?前からあんなんあったっけ?
〈いえ。ありませんでした。〉
やっぱりなかったよね。
じゃあ、何あれ?
〈ただ単にカッコいいと思ってつけて見ました。任意でオフにもできます。〉
…。
まぁ、いいや。発動したってわかりやすいし。
それより、早く話しかけないと。
もう、飛びかかる態勢に入ってるし。
「あー。もしもし。わかりますかー?」
俺は、話しかける。
「…!わかる。わかるぞ!」
…。
なんか、大きな狼様が興奮していらっしゃる。




