力で訴える
「どうしてもヘスペリスを引き渡さないんだな?」
ダーク・エリオンは腕組みをし、マントをはためかせながら尋ねてくる。
あれ?
風なんか吹いてないのに何でマントがはためいてるんだ?
そんなことよりも。
「あぁ。お前らと何の因縁があるのかは知らないが、引き渡さない。」
俺は、かっこよく応える。
やばい。
俺カッコいい。
何かのアニメの主人公みたい。
「そうか。ならば…。」
俺はダーク・エリオンの言葉を遮り、言う。
「力で納得させるつもりか?」
「あぁ。その通りだ。」
世界神の兄弟は、俺に手を向けて魔法を放とうとする。
俺は、それを待たない。
奴の魔法の威力はさっき見たしね。
あんなんくらったらおしまいだ。
俺は、ステータスに底上げされた力を使い、ダーク・エリオンの背後に回り込む。
そして、手刀を放つ。
え?なぜ手刀かって?
そんなの決まってるじゃん。
セイバーが、「見習い冒険者の剣」しかくれなかったからだよ。
それだったら、普通に素手の方が速く動けるからいいんだよな。
「何だ?何かしたか?」
なにっ!俺の伝家の手刀が効かないだと!
これは手強い相手だ。
ダーク・エリオンが再び照準を合わせてきたので、俺は慌てて飛びのく。
俺がいたところには、クレーターができる。
もちろん、雑草一本残っていない。
いやー。
相変わらず半端ない威力ですねー。
じゃあ、俺も魔法使ってみるか。
「○*☆$%# ライト」
俺の手元に巨大な球が現れる。
そして、俺がそれを放り投げる。
「中級攻撃魔法のファイアーボールか。こんなもので倒せると思われるとは…。屈辱だ。」
ダーク・エリオンが飛びのいて言う。
完璧に避けられたので、ダメージは全く入っていない。
てか。
俺のライトってやっぱりファイアーボールに間違われるのね。
うーん。
避けられたか…。
じゃあ、もう一回行ってみよう。
「○*☆$%# ライト」
俺は再びライトを放つ。
今回はエネルギーを凝縮してテニスボールくらいの大きさにしておいた。
「小さくなっても同じことだ。」
ダーク・エリオンはそう言って飛びのいた…。
しかし、俺のファイアーボールは…
曲がる!
そう。
俺は、イメージで、カーブボールを投げてみたのだ。
ダーク・エリオンは少なからずダメージを受けて膝をつく。
ライトでやられかけるって…。
雑魚っ!
もしかして、ダーク・エリオンって攻撃特化タイプ?
おっ。
ダーク・エリオンが立ち上がったぞ。
なんかもうボロボロだ。
そして、言う。
「右の目が疼く。どうやら活動上限に達したようだ。運が良かったな。次会った時は我が正義の糧としてくれるわ。」
…。
厨二病ですね。
そんなボロボロの状態で言われても…。




