魔法講座
ぐー。
グランのお腹がなる。
キュルキュルキュル。
クララのお腹もなる。
「魔法教室までまだ時間があるし、先に昼ごはん食べに行くか。」
俺の提案に二人は顔を真っ赤にしながら頷いた。
「うまいぞ。ヒロ。」
「はい。美味しいです。ヒロ様。」
「美味しい。」
グラン、クララ、ヘスが口々に評価する。
俺たちは、あるレストランに来ていた。
店の名前は、「豊作の冒険者亭」。
ここでは、様々な栄養価の高いメニューを冒険者たちが気軽に食べれるよう、安くで提供している。
そして、そこで俺たちはグランがステーキ。
クララは、エビフライ。
ヘスはハンバーグ。
というように好きなものを食べている。
ちなみに俺は、昨日の晩に肉は食ったので、煮魚を食べることにした。
魚は白身でタラのような感じだった。
しっかりと煮られており、口に入れた瞬間に崩れていった。
「美味い。」
こんなものが、冒険者でも食べれるなら、冒険者になる人も多いんじゃないだろうか。
手が止まらない。
あっというまに俺たちは、ご飯を食べてしまったのだった。
「では。これから魔法教室を始めます。お願いします。」
俺たちはご飯を食べた後に、予定通り魔法教室に来ていた。
講師は、異様なほどにハキハキ喋る少し太った女性だった。
「では。まずみなさん魔法とは何かわかりますか?では、そこの女の子説明してみて下さい。」
クララが指名された。
「魔法とは、詠唱をする事で周りにいる精霊たちに指示を与え、魔力の代わりに特定の事象を起こしてもらうというものです。」
「その通りです。よくできました。」
ふーん。
魔法には精霊が関係あるのか。
じゃあ、精霊との相性とかで効果が変わったりするのかな?
「ということで、この女の子が言ってくれたように、魔法は詠唱が必要となります。そこで、今日は、簡単な詠唱を覚えて魔力の扱いを感じましょう。」
うん?
ていうか、その原理だったら無詠唱できなくない?
まぁ、後で聞いてみるかな。
「今日教える詠唱は、こちらです。」
「○*☆$%# ライト」
「はい。目の前に光の球が現れましたね。これは、下級魔法のライトです。では、みなさんも覚えてみてください。」
うーん。
難しそうだ。
「○*☆…」
なんだっけ。
あー。
思い出した。
「○*☆$%# ライト」
よし。
昔から記憶力だけはいいんだよね。
詠唱が終わると、目の前に直径5メートルくらいの大きな球が現れた。
「ちょっと。貴方。何してるんですか?」
焦って小太り女講師が飛んでくる。
「普通に詠唱しただけなんですが…。」
彼女の目が点になる。
やっぱり、俺規格外なんだな…。




