第七話 道具屋の木こり屋で買い物しよう!
「店内を見ても良いですか?」
「構いませんよ」
フライパンは2,000Gだ。この値段以下のフライパンはないようだ。
「待ってください? 調理できればいいのですから、鍋でも……」
鍋も2,000Gだ。この鍋もこの値段以下はない。
「むむむ……鍋も2,000Gですか」
「金属の鍋系は、全部2,000G以上ですよ」
そんな……! 俺のアツアツの目玉焼きが食べたいという夢が……!
「なにか、手はありませんか……。安い何かは……」
ふと、鍋やフライパンが整列している横に視線を流して、俺は「あ」と声を出した。
「木の板なら、500Gで買えるのですか……」
「ええ、それは、木の板だけどまな板として使えますよ」
「そうですか……。木の板だけどまな板として使えるんですか」
でも、木の板は目玉焼きを作るには向いてない。
……。……。
「ん? ちょっと待ってください」
俺は、希望を込めて店主に尋ねた。
「木の板じゃなくて、鉄の板はありますか?」
店主は首をかしげていた。
「鉄の板ですか?」
「そう、鉄の板なら、フライパン代わりに使えるんじゃないかと思ったんですよ」
店主はポカンとしていたが、合点したようでウフフと笑った。
「君はやり手ですね! 鉄の板ならありますよ! ただし、1,700Gですけどね!」
100G分足らなくてがっかりした俺だったが、店主がにまにましていることに気づいた。
「いや、諦めないでください! 頑張ったから、100G分値引きしてあげます!」
「ほ、ホントですか!?」
店主はいい人じゃないか!
俺はすっかり木こり屋が気に入ってしまった。
「また来ます!」
「はい、またいらしてください! ありがとうございました!」
そして、購入した、鉄の板・薪・レッドストーンを抱えて、自宅のアパートに帰ったのだった。