第十話 デュエルのうな重GET計画終決!
俺はフェアリーシェフズ料理店で料理を食べた後、ブラック茶を手にテーブルに伏せていた。
俺の鳥系モンスター捕獲計画が座礁してしまった……。
料理人ゴーレムを捕まえることができなかった……。
「お、俺は、もうどうすれば良いんだ……!」
途方に暮れていると、後ろで僧侶二人組の噂話が聞こえてきた。
「知っていますか?」
「何がですか?」
「冒険に出かけたときに、レベルカードを持ちますよね?」
「はい」
「そのあとで、町役場に行くと、レベルカードがその階の宝箱から自動で採取したアイテムが貰えるみたいですよ?」
「それは美味しい話ですね!」
な、なんだって!?
自動でアイテムが採取だと!?
もしかして、うな重の賞品が貰えるかも!
俺はレベルカードでお代を支払うと、町役場に向かった。
向かったのが、町役場の冒険課である。
俺は、職員さんにレベルカードの説明を受けていた。
「あちらのアイテム管理システムにレベルカードを通すと、貴方が冒険で獲得したアイテムの一覧が見ることができます」
「はい」
「それで、不要のアイテムにチェックを入れると、自動で換金してレベルカードに貯まる仕組みになってます」
「へえ、便利ですね」
「必要なアイテムは、後日ご自宅に発送しますので、よろしくお願いします」
「は、はい!」
俺は、アイテム管理システムを起動させた。
すると、獲得したアイテム一覧が表示された。
俺は、要らないアイテムにチェックを入れて、換金していく。
良く分からないものは送ってもらって、後で売りに行けばいいだろう。
結構なアイテムがあるなぁ。
うな重は……ないかぁ……。
って、あ、アレ……?
俺は、金額に目を疑った。
これは、もしかして……!?
俺は、レベルカードを手に町役場を後にした。
クロッシュタウンの時計台が修理されたのか、鐘の良い音が響いている。
そして、翌日――。
俺は、マジカル☆魔法店を訪ねた。
「やあ、不思議の鏡!」
「ふっふっふ。約束の美味しいも・の・は?」
不思議の鏡が、手を差し出した。
「じゃーん!」
俺は、重箱を三つ取り出した。
「料理人ゴサブロウの作ったうな重を持ってきたよ!」
「料理人ゴサブロウの作ったうな重!? マジで!? 滅茶苦茶高い奴だよね!」
そう、俺はミミミ食料店の異国フェアで料理人ゴサブロウの作ったうな重を買えたのだ。
レベルカードでアイテムを換金したら、100,000G超えていたのである。
「ありがとう、デュエルー!」
俺は、不思議の鏡と一緒に料理人ゴサブロウの作ったうな重を食べて、幸せな気分になったのだった。




