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第七話 あみだくじバトルの結果は……?

 ピピディアは、「うおお……!」と、ダッシュでみんなと一緒に駆けて行った。

 そして、あみだくじの中ほどに背伸びして記入していた。


 僧侶様はというと……。

 俺の横にちゃっかりと大きな字で自分の名前を書いていた。


「なんで、俺の隣に……?」

「良いではないか、良いではないか!」

「あんたは、お代官様か……!」


『終~了~!』


 ハンドベルがガランガランと鳴らされる。

 そして、抽選会が終わって、すぐに結果発表になった。


『三等・羽の生えた靴の当選者はミッシェルさんです。おめでとうございます!』

『うおおおおおおおおおお!』


 羽の生えた靴は見知らぬ人の手に渡ってしまったようだ……。

 ……。……。

 俺は、ちょっぴりしょぼんとなった。


『二等・光の僧侶様の記録帳の当選者はピピディアさんです。おめでとうございます!』

『うおおおおおおおおおお!』


「ええっ! ピピディアが当選した!?」


 ピピディアは相当の強運の持ち主らしい。俺は思わず舌を巻いた。

 しかし、その強運が違うところで発揮されている。

 なんせ、当選したのは二等だからだ。


『一等・清純な娘たんの日記帳の当選者はデュエルさんです。おめでとうございます!』

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』


「フッ! してやったり!」


 俺は、この抽選会で清純な娘たんの日記帳を手に入れるために、策略したのだ。

 そのために、ダンジョンのスペシャル階にある望みの物を出す宝箱に願ったのだから。

 この最強運レベル1000のお札(一回きりで使い捨て)をしっかりとだ。

 俺は、神社で売っているような、霊験あらたかそうなお札をポケットから取り出した。


 運を格段にアップさせるラッキーアイテムがこれだ。

 もはや、最強の運を上げるアーティファクトがこれだと言っても過言ではない。

 既に効果を発揮したので、真っ二つに破れている。

 もう、このお札は二度と使えないというわけだ。


 俺は、とにかく、賞品を受け取りに行った。


「はい、一等の賞品です。おめでとうございます!」

「ありがとうございます」


 俺は、ファンシーな表紙の分厚い日記帳を店員さんから受け取った。

 清純な娘たんの日記帳を手に入れた!


「デュエルさん……!」


 ちょうど、ピピディアが駆けて来たところだった。


「ほら? 清純な娘たんの日記帳って、ピピディアの日記だろ?」

「は、はい、私の日記です! ありがとうございます!」


 ピピディアは嬉しそうに受け取って日記を抱きしめている。


「ちなみにどんなこと書いているの?」

「ひ、秘密です……!」


 俺は気になって聞いたが、ピピディアは恥ずかしそうに頬を染めてしまった。


「まあ、よかった、よかった。一件落着だな~」

「それで、これ。デュエルさんにお礼です!」


 ピピディアが、一足の靴を差し出した。

 俺にお礼……?

 ピピディアから渡されたものを見て、俺は吃驚した。


「えっ!? これって、三等の羽の生えた靴じゃないか! どうしたんだ?」

「三等当選者のミッシェルさんにいらないからと羽の生えた靴をくれたんです」

「ありがとう、ピピディア!」


 こんな結果になるなんて、俺は滅茶苦茶ツイている!

 ピピディアに感謝だ!


「私もピピディアに感謝しているよ」


 ピピディアはどうやら、僧侶様に光の僧侶様の記録帳をあげたらしい。

 これで、一件落着なのである……!


 しかし、俺のお金が底をついてしまった……!

 ピピディアと僧侶様と祝勝会をして、ジュースと料理を注文しすぎたのだ……!


 割り勘でぴったり有り金全部だったというわけだ。

 また、ダンジョンの一階でがんばろう……!

 俺は、決意を新たにするのだった。

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