第七話 腕相撲勝負! デュエルVSザンエル!
「さあ、腕相撲で勝負するかァ!」
ザンエルたちは、ニヤニヤしながらポーズをとっている。
俺は、自虐の鎧を見下ろす。
そして、俺は覚悟を決めた。
俺たちの前に腕相撲のテーブルが用意された。
「腕相撲のルールは、先にテーブルの上に自分の腕全体が付いた方が負けだ」
俺は、ニヤリと笑った。
「それから、アイテムを使って勝ってもいいんですよね? それで勝った方に賞金10,000,000,000,000Gですよね?」
「あ、ああ。って、ちょっと待て? まさかとは思うが、お前は自虐の鎧を着て勝負しようっていうのか?」
ザンエルたちは、俺の自虐の鎧が気になるご様子だ。
俺の額から汗が流れる。
「そうですが? 何か問題でも?」
「ひゃーっはっはははははははは! ぶわっかじゃねぇ!」
それを聞いたザンエルたちは大笑いだ。
心配してくれているのが、ミリアルドたちと俺にくっついてきたあの人だ。
「お、おい。あいつらには魔法使いが付いているから、治癒も可能だが、お前にはそれができないんじゃねーか?」
「……そうだな」
「お前、そんなもん着たら死ぬぞ!」
「ちょっと、早まったらダメだって!」
さっきの人まで俺を止めようと必死だ。
俺は自嘲したように笑った。
こういう展開になるとは思ってみなかったが、当初の計画通りではある。
「まあ、良いから見ててください」
俺は、深呼吸した。
そして、自虐の鎧を身に着けた。
「うぐぅ……!」
「ほ、ほらぁ! ちょっと、どうすんだよ!」
途端に、視界がもうろうとする。
『自虐の鎧』が俺を攻撃してくる。
「……! ……!!」
俺は、汗だくになりながら、テーブルの上に腕を立てた。
ザンエルたちは、大笑いだ。
「良い根性してるねぇ! 良いだろう、相手になってやる!」
ザンエルは、鍛え上げられた腕をテーブルの上に立ててスタンバイした。
「はぁ……はぁ……!」
俺は、汗だくになりながら、魔法のアイテムの腕輪を付けた。
これは、俺の一世一代の賭けだ……!
審判が、俺たちの手の上に手を置く。
「今から、デュエルVSザンエルの勝負を始める!」
「レディー……! ゴー!!」
合図がかかった。
ザンエルは、腕を力こぶでふくれさせて、俺の腕を倒そうとした。
俺は、『破!』と呪文を唱えた。
すると、魔法のアイテムの腕輪がまばゆい光を放つ。
「ナニィ!?」
そして、俺の自虐の鎧から黒いオーラが放たれた。
ザンエルの体にそれが吸い込まれていく。
「うがああああああああああああ!? なんじゃこりゃぁ!?」
ザンエルは、白目をむいて朦朧としている。
俺は、涼しい顔をして、ザンエルの腕をあっさりと横に倒した。
ザンエルは、ふらついて地に倒れたのだった。




