第三話 ダンジョンの200階に奇跡の魔法植物を植えよう!
ダンジョンの200階は、草原だった。
俺は、時々出てくるモンスターを消滅させながら、進んでいく。
草原の横に大きな湖がある。
たどり着いた時には、レベルが2上がった。
レベルカードを確認する。レベルは34になっていた。
【名前:デュエル 職業:魔法使い レベル34 HP420 MP420】
【装備:白魔法の回服・☆攻撃反射の腕輪・☆浄化の革靴】
「あった! ここだな!」
俺は、湖の近くの地面を掘ると、奇跡の魔法植物の苗を植えた。
にんまりとそれを眺める。
湖の波の音がしばらくの間、聞こえた。
しかし、1分経っても5分経っても、何も変化がない。
「あ、アレ? この間は、魔法植物があっという間に大きくなったのに? なんで育たないんだ?」
もしかして、魔法植物が苗だからだろうか? 奇跡の魔法植物だからだろうか?
いや、それにしたって、魔法植物なんだから魔法っぽくないといけないに違いない。おそらく。
「しかも、滅茶苦茶良いことがあるって言ったけど、全然ないような気が……」
俺は、変化のない奇跡の魔法植物をう~んとうなりながら腕組みして考えた。
しかし、分かるはずもない。
「ピピディアが、偽物を掴まされたのか? ピピディアは嘘を吐く子じゃないしなぁ……」
あっと一つ思いついたことがあった。
「以前あった時のように、ピピディアが操られているとか?」
言って、俺は身震いした。
あの時のピピディアは史上最高に怖かった。
「いや、操られているようなアヤシイ発言はなかったよなぁ?」
いつまで経っても、奇跡の魔法植物の奇跡が起こらなかったので、俺はアイテムを使おうと思い立った。
「そうだ! また、アレを使おう!」
俺は、自宅に戻り、街に出かけた。
がらくた市で、解決のスクロールを1つ1,000Gで手に入れた!
そして、ホクホク顔でダンジョンの200階に戻った。
『奇跡の魔法植物の使い方を巻物の中に示せ!』
呪文を唱える。
しかし、いつもならボワンという白い煙と共に、解決のスクロールの中に答えが記されるのに、今日に限っては何も起きない。
「あ、アレ? どうなってるんだ?」
俺は、暫し呆然となった。
「もしかして、俺の鑑定スキルがダメになったのか? だから、違うスクロールをつかまされたとか?」
しかし、この問いかけの答えは否だったのである! 続く!




