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第八話 氷モンスター氷魔専科を助けよう!

 俺は、氷魔専科を抱えて玄関の鍵を開けて入って行った。家の中は外より涼しいが、窓を閉め切って出かけたので、家の中は滞った熱気でムッとしている。


「うわっ、あっちー。窓を全部開けよう!」

「ヘロヘロませんかデス……」

「ちょっと待っててな!」


 俺は、氷魔専科をキッチンに置いて、家の中の窓をすべて開けた。

 戻ってくると、氷魔専科はかなり溶けていた。氷魔専科の目が××になっている。


「溶け溶けませんかデス……」

「うわっ、やっべ!」


 俺は慌ててがらくた市で買った品物を床に広げた。


 ◆解決のスクロール3つ

 ◆おまけの巻物1つ

 ◆高級レッドティ1箱

 ◆クマちゃんのボウル1つ

 ◆日記にしか見えない魔導書1冊

 ◆おまけの魔導書1冊


「これだけでなんとかなるか?」


 俺は、おまけの巻物を広げた。


「これは、倍魔力の巻物だな。魔力を倍にする巻物だ。これは、使えそうにない」


 魔力を倍にしても、何も解決しそうにない。使える魔法と言えば、砂魔法と風魔法だけだからだ。しかも初歩の。


「つ、次だ!」


 俺は、おまけの魔導書をめくった。


「これは、氷の魔導書じゃないか! これを読めば、氷魔法が使えるぞ!」


 水を凍らせる魔法のページを探した。初歩的な初歩の魔法だ。


「こ、これだ!」


 じっくりと読む。1分が経過した。

 俺は、初歩的な初歩の、水氷の魔法を覚えた!


「次は水だ!」


 井戸水を汲んで、クマちゃんのボウルの中いっぱいに入れる。かなり大きなボウルだ。


「氷魔専科をここに入れて、と……」

「溶けてしまいませんかデス……」

「大丈夫だから待っててくれ」


 俺は、水氷の魔法をかける。


『水よ凍れ!』


 俺の唱えた呪文が木霊するように響き渡った。

 クマちゃんのボウルに入った水が、あっという間に凍った。


「初めてだけど、上出来じゃないか!」


 俺は大喜びだ。

 クマちゃんのボウルの中の氷魔専科はボウルの水面で目をぱちくりした。


「どうだ? 氷の体積が増えたから、完全に溶けるまでにはさっきより時間がかかると思うんだけど?」

「快適ませんかデス!」


 どうやら、快適なご様子だ。


「でも、これでもこの暑さじゃすぐに溶けてしまうな……何か良いアイディアは……」


 俺は、視線を巡らせる。


「そうだ! 待っててくれ、氷魔専科!」


 俺は、すぐに行動に移った。


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