第二話 不思議の鏡と魔法店2
「今日は何のご用でし・ょ・う・か!」
「ちょっと、この回復薬を50個売りたいんだが」
「ああ、その魔法薬ね。それは、一つ200Gで買い取るね。ということは、10,000Gね!」と、不思議の鏡が言った。
「分かった」
「まいど!」
不思議の鏡が、鏡から手を出して俺に10,000Gを渡してくれた。
「それにしても、有名なアーティファクトの不思議の鏡が店主なんて、びっくりしたよ」
「私を鑑定するなんて、や・る・ね!」
「価値は推定10,000,000,000,000Gくらいか。それ以上か」
「そんな高値で私の鏡を買ってくれるなんて~!」
「いや、別に買わんけどな」
「ガーン!」
「じゃあ、また何か用があったら来るよ」
「う、うん。またね。お買い上げありがとうございました!」
俺は、マジカル☆魔法店を後にした。
回復薬50個で、10,000Gだ。
「モンスターの卵だったらもっと稼げただろうが……」
町の中を歩いていると、店先で腕相撲をやっていた。
屈強なひとたちが賭け事をして楽しんでいるらしい。
……。……。
「小僧! 俺らと勝負していかないか?」
「な、なんだ?」
「俺はミリアルド。俺と腕相撲して勝てたら、賞金5,000,000,000,000Gを出そう!」
「いや、無理でしょ。勝てませんって」
「レアなアイテム使って勝っても文句ないよ。こっちが怪我してもお前が怪我しても文句なしだけどな!」
「ふーむ。レアなアイテムを使ってもいいか。でも、金銭的に厳しいわけだし……」
……。……。
「いやいや、上手くいけば……」
……。……。
「いや~、勝てる自信ないんでやめときます……」
正直な感想を言うと、ミリアルドはガハハハッとうれしそうに笑った。
そして、俺の背中をバシバシと叩く。
「小僧! いつでも来いよ!」
俺は、そのままアパートに帰宅しようとした。
途中で、人にぶつかってしまった。この子はメイドの服を着ている。どこかの屋敷で働いているのだろうか。俺は昔を顧みて懐かしくなった。
「あ、ゴメン」
謝ったのにもかかわらず、メイドは泣き出してしまった。
「ええええ!?」
俺は、大慌てでメイドをなだめにかかった。




