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第五話 ダンジョン○階に行く方法!

 傘が邪魔だったので、魔法のショルダーバッグに仕舞った。

 次に、賢者の杖を手にした。

 これをペンのように握って、空中に浮かぶ大きなブロックの前に歩いてきた。俺の顔の高さに、大人が入れそうなほどの大きさのブロックが浮いている。そのブロックの側面に向かって、俺は唱えた。


『ここに、的確な答えを示せ』


 すると、賢者の杖は意思を持ったように、ひとりでに動き出す。光る文字――スペルが、ブロックに綴られ始めた。スペルは魔法の呪文を綴っているのだろう。書き終わると、賢者の杖は気が済んだのか動きを止めた。すると呪文が輝きだし、ブロックが段ボールの箱のように開いて、中から手品のようにカードがあふれ出した。俺は、賢者の杖を魔法のショルダーバッグに仕舞った。


「これは……!」


 その手品に出てくるカードは、俺の体を取り巻き始めた。

 この光るカードは確か……!


「無敵のカードだ!」


 この俺の体を取り巻くカードは、使用している間、無敵にしてくれる最強アイテムだ。


「よし! このアイテムがあれば!」


 俺は、息を吸い込んで声を上げた。


「羽の生えた靴よ、来てくれ!」


 すると、異空間を渡って、羽の生えた靴が現れた。


「ヒャッハー! デュエルさんよー、俺っちが来たぜー!」

「散歩中、すまないな!」

「楽しそうなことやっているようだなー! 俺っちもヒャッハーしたいぜ!」


 ポケットに手を突っ込んで、変身セットのスイッチを押した。

 俺の足に羽の生えた靴が変身するように、一瞬で履き替えられた。


「面倒だと思うが、今回も手伝ってくれ!」

「ヒャッハー! 良いぜ、良いぜ!」


 羽の生えた靴が、俺の体を空中に浮かび上がらせた。


「このまま階層を突き破って、1000階に行きたいから手伝ってくれ!」

「ヒャッハー! 了解だぜ! 行っくぜええええええ!」


 俺は、無敵のカードを体に取り巻いたまま、ロンギヌスの槍(模造品)を使ったときの要領で、階層を超えようとした。しかし、俺の体は簡単に階層を超えて進んでいく。流石は、無敵のカードだけあって、階層を超えるのも容易い。この要領で、順調に階を上がって行った。どの階も霧雨が降っているようだ。


「よし! このまま、階層を突破だ!」

「ヒャッハー! 良い眺めだぜー!」


 そして、俺は1000階に到達したのだった。

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