第十四話 念願のオリハルコンの腕時計を手に入れよう!
俺は、5,000,000Gの入った布袋を魔法のショルダーバッグに仕舞った。
代わりに、もう一着の空飛ぶ鎧を引っ張り出した。
空飛ぶ鎧を風船のようにロープでふわふわと浮かせながら、それをTHE・戦闘屋の店主グラッセさんに差し出す。
「約束のアイテムです」
「うまく行ったみたいだね?」
グラッセさんは、ほわほわとした表情で微笑みながら、それを受け取った。
「まあね。ロンギヌスの槍(模造品)は壊れたけど、なんとか万事うまくいきましたよ」
「無事で良かったよ!」
「グラッセさんのおかげですね」
「良かったら、俺の方の依頼も頼むよ? いつでもいいからね?」
「あっ、私の方も頼むからね!」と、グルナさんも負けていない。
「はい、また来ます」
俺は、満面の笑みで返答したのだった。
そして、俺は武骨屋を後にした。
早速、浮足立つ心で魔法時計の歯車屋にやってきた。ショーウインドウに張り付くと、まだオリハルコンの腕時計は売れていなかった。
「よ、よし!」
ドアを開けて入って行くと、丸眼鏡をかけた男店主が時計を手入れしていた。
「あ、いらっしゃい! 何をお求めで?」
「オリハルコンの腕時計を一つ!」
「はぁ~? 僕~本当に買うのぉ?」
店主は疑っている。
俺がそんな大金を持っているはずがない。
そう店主の顔に書いていた。
「もちろん買うよ!」
「5,000,000Gだけど……」
俺が、魔法のショルダーバッグから現金をポーンと置くと、店主は180度態度を変えた。
「ありがとうございます! お坊ちゃま!」
俺は、VIP対応で見送られた。
店主の一礼は見るのもすがすがしいほどの90度だった。
俺は、オリハルコンの腕時計を腕に付けて、スキップしながら、自宅に帰宅したのだった。
「ただいまーっと」
まだ、羽の生えた靴は帰ってないようだ。
うっとりとオリハルコンの腕時計をかざしてみる。
丁度、5時を示したところだ。
「はぁ、格好良いー。これで、時間が確認できるぞー」
丁度、窓ガラスをドンドンと叩く音がした。
窓の方にやってくると、羽の生えた靴が帰宅していた。
「俺っち、最高にヒャッハーしてきたぜー!」
「うおー、泥だらけじゃないか! ちょっと待ってろ?」
俺は、タオルを濡らすと、羽の生えた靴を拭いてやった。
「デュエルさんよー! 俺っち幸せだぜ!」
妙になつく羽の生えた靴に頬を緩める俺だった。




