第六話 マジカル☆魔法店にて! 2
マジカル☆魔法店の不思議の鏡は、鏡の中で目をぱちくりさせた。
「デュエル。ちみぃ、羽の生えた靴は、手に入らなかったみたいだ・け・ど」
「あれは良いんだ。生きているし可哀想だからな」
元気に去って行った羽の生えた靴を思い出すと、今も涙腺が緩む。
不思議の鏡は、にこにこしている。
「デュエルー、ちみぃ、何か勘違いしているよ~?」
「何が?」
「魔法機で加工しても羽の生えた靴の命がなくなるわけじゃないんだよ。違うアイテムになっても、そのままの記憶が引き継がれるんだよ」
「なんだ。じゃあ、安心だ。でも、あんなに元気な羽の生えた靴を加工する気にはもうならないな」
「デュエルって優しいよね~」
「そうでもないけど」
「じゃあ、特別大サービスで、一個だけ他の組み合わせを教えるね~?」
俺は、ぐっと喉につっかえそうになる。
「最初からそっちを教えて欲しかったのだが……!」
まあ、ピピディアは良い子なので、さして問題にはならなかったが……。
不思議の鏡は、困ったように笑っている。
「手に入りやすいほうを教えたんだよ。じゃあ言うからね」
「ああ」
「双翼の耳飾り(片方)とクロスアーマーだよぉ」
「サンキュ!」
「うん。美味しい物をくれたお礼だよ~」
マジカル☆魔法店を後にした俺は、双翼の耳飾りの情報を手に入れるために、場所を移すことにした。
ちなみに、双翼の耳飾りとは、羽の生えた靴と同じで、空を自在に飛ぶためのアイテムだ。しかも、羽の生えた靴とは違い、命が宿っているわけではない。更に双翼の耳飾りは左右セットで二つある。二つなら二回作れるというお得感だ。しかしながら、レアなアイテムには変わりない。こちらも、手に入れるためには、色々苦労しそうではある。
不思議の鏡にもう少し聞きたかったのだが、一個だけという制限があるので仕方ない。
困ったときは、このとっておきの場所だ。
俺は、ドアを開ける。
様々な料理の香りが俺の五感をくすぐる。
困ったときは、フェアリーシェフズ料理店で、情報収集に限るのだ。




