どうでもいいこと
たとえば夢を見る。
夢に限りはなく、その夢が続く限り延々と続く。
終わりはいつか。
臨終が終いだとは限らない。
魂を信仰するならば、身体を喪った後も夢見続けるのだろうか。
それとも電気信号の結果でしかない意思という概念は、もう夢見なくなるのだろうか。
夢見ているのはどちらか。
体か、魂か。
ありていに言えば、夢は脳に刻まれた記憶を料理したもの。
己が忘れた思い出の残骸すらかき集め、一緒に鍋で煮込む。
その結果が悪夢だとしても、何だとしても。
人は見るしかない。
朝、寝汗で冷えて震える義務がある。
義務なんて、大層嫌らしい言葉だが。
でも。
夢見る自分がどこにいるのか、思う。
あの、場面に立つ自分は何であるのか。
それが意思と言う脳の反応の結晶なら、それを魂と言いたい。
夢見る自分がいることを信じたい。
薄くて味も分からない願い。
けれど、温かいだけ冬の寒さに有難がる感覚。
魂があればいいと思う。
けれど夢見ごとだとも考える。
昼間に見るにはいい夢だとも。
軽く陰かかった思考は、
澄み切った青空を見上げて、その日に消毒されれば、
また夜に寝床で眠れるだろう。
いい夢願う。
物好きさん