アリとキリギリス 冬を超えようとした俺と、夏で終わろうとしたヤツ
キリギリスが死んだ。
キリギリスの名は、岡原 健治。親友だった。
「俺をキリギリスとするなら、お前はアリだな」
高校時代、昼休みの喧騒に包まれた教室で奴は言った。
「俺は人生を夏にかけた。お前は冬を越えるために蓄えた」
高校三年の冬。窓の外では、積もりもしない雪が舞っていた。
俺たちは、俺たちの道を行こうとして、そして互いの道を見守っていた。
それぞれが幸せになるはずだったし、それは概ね外れてはいないのだろう。
だが、俺はアリで、ヤツはキリギリスだった。
キリギリスの名は、岡原 健治。親友だった。
「俺をキリギリスとするなら、お前はアリだな」
高校時代、昼休みの喧騒に包まれた教室で奴は言った。
「俺は人生を夏にかけた。お前は冬を越えるために蓄えた」
高校三年の冬。窓の外では、積もりもしない雪が舞っていた。
俺たちは、俺たちの道を行こうとして、そして互いの道を見守っていた。
それぞれが幸せになるはずだったし、それは概ね外れてはいないのだろう。
だが、俺はアリで、ヤツはキリギリスだった。