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第二章 BLUE-COFFIN  作者: メル・ホワイト・プリンス・ヴェリール
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第二十五節「柘榴の森」

風の国の北東に広がる白い花咲く野原ニュッサ。



その南にあるデケリア湖を抱き



王城の背後を守るかに茂る柘榴の森エンナ。



それ故、王城の正式な名はエンナであったが



今、それを知る者は古より続く王族に限られる。




それは古く遠い昔。



あのGALLIAの戦いの後。



神々が新世界を創造し旅立った時。



古代アイルの国から女神ネヴァンの所領を切り離し



人々と共に



このHEAVEN'S-FIELDに移されたのと同時に



忘れられていった・・・。





挿絵(By みてみん)





   第二十五節「柘榴の森」





柘榴の森。



それは神代の昔。



‘KHAOS/カオス’より神々が天地を創造した時に残された



その‘カオス’の名残であった。




この世の数多のものの源であり



神の御技、その力を秘めた神木でもあるそれは



代々、その世界の神々の血に連なる者



若しくは、その王家が番人となり



神木を持ち出す事はおろか、森への立ち入りを禁じた。




‘カオス’は、其々の異世界にも柘榴の森として姿を変え



異世界と異世界とを繋ぐ道の入口でもあった。



その扉の向こうは暗闇が続くのみで



さながら、出口のない迷路の様であった。



行き着く先も森の番人たる王族に伝えられるのみで



いつしかそれは伝説や神話となって語られ



人々の足と記憶を遠ざけた。




ただ、その神の原資たる神木を悪しき計略に利用する者がいた。




風の国の王城‘白羽の城’に入ったパンドラ。



魔女エリスの‘魂のカケラ’を受け継ぎ生まれた彼女は



本来、闇夜の、魔の者の属性を有している筈だった。



しかし、‘柘榴の禁呪’によって転生を繰り返し



また、ファイストの妻オディエットとして



愛の日々を重ね過ごした彼女は



限りなくその属性を弱め変えていた。



更に



城の背後に生い茂る柘榴の森から放たれる‘気’と



‘柘榴の心臓’を持つパンドラの波長は同じであった。




その為



風の国の守護者たる賢者テオゴニア・マーリンも



普段であれば察知できる筈の魔の気配は勿論



同じ城内にいながら、その存在に気づく事すら出来なかった。



結果、魔女エリスの息が掛かる者の城内侵入を許す事になってしまったのだ。




それこそが魔女エリスの狙いであり



風の国の賢者テオゴニア・マーリン追放計画の肝であった。



そしてそれも



翌日に控えたパンドラの国王謁見の舞台で、遂に幕を開ける事になる・・・。

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