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第二章 BLUE-COFFIN  作者: メル・ホワイト・プリンス・ヴェリール
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第十三節「GALLIAの誓い」

辛くも‘グレイプニル・リング’に‘闇のエレボス’、‘夜のニュクス’を封じ込めた‘テオゴニア・マーリン’たち。


しかし、魔の者たちを戦いに退け、手にした勝利と引き換えに払った代償は余りにも大きかった。


また、勝者には似つかわしくない、皆、満身創痍のていであった。


彼らは‘VANILLA-FIELDS’の首都‘WHITE-TREE’にある宮殿‘WHITE-GARDEN’に凱旋すると、‘白き愛の女神エタニティ’が待つ‘白き玉座’へと集い顔を合わせた。


最早、足を踏み出すことすらままならない彼らではあったが、誰もが釈然としない想いに言葉を交わした。




‘魔の帳の三騎士‘のひとり‘死の灰のタナトス’に傷を負わされ、死灰に犯されながらも‘ウェル’の戦士‘スウェン・セバイク’が口を開いた。



「女神エタニティ、これで、終わったのだろうか?」



スウェンに肩を貸していた‘スクォーラ’の大神官‘クレス・ワイナ’が言う。



「いいや、はじまったのだ・・・」


「そう、クレスの言う通り・・・、新たな戦いが始まったのです・・・」



女神の言葉に、皆沈黙した。


ただ、それは次なる戦いを目し、新たに強い決意を秘めてのものだった。


彼らの頭の中は、再び訪れるであろう戦いに備え、やるべき事を模索し、女神の言葉を待っていた。



「確かに、私の力の源である‘グレイプニル・リング’に闇夜の魔神を封じ込めることは出来ました。

しかし、残念ながら、もともとリングには一人の魔神しか封印し続けることが出来ません・・・」


「何時封印が解けるか、分からんということか・・・」



壁にもたれ掛かる‘アイル’女神の戦士‘モリガン’は、そう言って一つ大きく息を吐いた。


その分身であり、妹である‘ヴァハ’が言う。



「奴等の血に連なる者が、リングの封印を狙っても来るだろう・・・」



‘赤い火竜ドライグ’が続く。



「もう一つの指輪を奪ったアイテールの行方も分からんしな・・・」




それから、皆、暫し口を閉ざすと、一様に傷ついた体を休めるよう其々に腰を下ろした。


柱を背にスウェンを床に横たわらせ、自らも膝を落としてクレスが言う。



「何れにせよ、取り戻せねば‘白き大地の神アルビオン’の復活もない・・・」


「次の戦いか・・・」



‘ブリーン’の光の魔法使い‘テオゴニア・マーリン’は呟いた。


そして、エタニティを前に方々に座する皆に向かってクレスが語り始めた。



「私に考えがある・・・」




クレスは


闇夜の魔神を封印した‘グレイプニル・リング’を何処に隔離するか


エタニティの世界‘VANILLA-FIELDS’を異世界に再創造する事


アルビオンの世界‘GALLIA’の分割統治と神器の保管


聖者の魂を、受け継ぐ者を探さねばならない事


死灰に犯されたスウェン復活の方策


やがて訪れるであろう戦いに備え、幾つもの案を皆に話した。



ひとつひとつを確認するよう、彼らは切れる息を携えながらも意見を交えた。既に、闇夜の魔神をリングに閉じ込める為、大きく力を失っていたエタニティも協力は惜しまないと約束した。




最後にクレスは、手に入れなければならない残りの神器に話を移した。



「モリガン、ヴァハ、君らは・・・」


「知れた事、‘ブリューナの槍’を探すまで・・・」


「姉者、タナトスらを放っておくのか?」


「放ってはおかぬ、ただ、このままでは奴らに勝てん・・・」


「しかし・・・」


「慌てるな、いずれ必ず、決着はつけてやる・・・」



今回の戦いに於いて誰もが辛酸を嘗めさせられたが、中でも‘ヴァハ’は‘タナトス’に対する復讐の怒りに燃えていた。


その気持ちは、モリガンにも痛い程分かり、想いは同じであった。


ただ、姿を晦ました‘魔の帳の三騎士’を滅するには、どうしても聖なる武具が必要だった。


今のままでは対抗する事は出来ても、彼らの不死のカラダを打ち破る事が出来ないのだ。


今回の犠牲に責任を感じ、敵討ちに逸るヴァハをスウェンも按じていた。



「ヴァハ、一人でネヴァンやルゴスの敵を討とうなどと思うなよ、やる時は一緒だ・・・」



そんな中、再びマーリンが呟いた。



「あとひとつ・・・、残るはレーヴァ・テインか・・・」



今回の戦いには間に合わなかったが、‘神槍ブリューナ’の所在については当てがあった。


問題は行方知れずになっている‘炎の剣レーヴァ・テイン’だった。


マーリンは女神エタニティに尋ねた。



「女神エタニティ、アルビオンが言っていた‘御使い’とは、いったい何時、如何なる者が現れるのですか?」


「残念ながら、それは私にも分かりません。ですが、その使命を帯びた者が必ず聖者の元に剣をもたらしてくれるはず・・・」



・・・・・ 待つしかあるまい ・・・・・



・・・・・ 長い戦いになりそうだ ・・・・・





挿絵(By みてみん)





   第十三節 「GALLIAの誓い」





‘風の国の賢者テオゴニア・マーリン’。


彼は城にある自室で一人、あの数百年前、‘GALLIA’で皆と交わした誓いを思い出していた。


そして、‘魔女エリス’に先手を打たれ、後手に回るしかなかった自分に臍を噛んだ。


しかし、あの時。


クレスらが言った通り、今も待つしかなかった。


アルビオンが言っていた‘御使い’の出現を。


‘炎の剣レーヴァ・テイン’がもたらされるのを・・・。

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