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出会い

 一目惚れだった――

 風に揺られ数百枚もの花弁が空を舞い、刹那的に桃色に染め上げられる落英繽紛を地でいくその場所で、佇み空に向かい手を伸ばすさまが言葉に表しきれないくらい綺麗で。柄じゃないけれど、桜色の瞳を持つその人物が精霊か何かかと一瞬考えたほど。

 その光景の美しさに見ほれると同時に、頭をビビッと何かが巡り、まるで相手と会うのが初めてではないような錯覚に襲われる。

 その異様な感覚は僅かな頭痛をもたらすが、時間がたてばおさまる。気が付けば、頭痛のことなど忘れ、ただどうしようもないくらい速く心臓が脈打っていた。

風がやんだその瞬間に、俺――港川皇は恋に落ちたのだと悟ったのだ。


「好きです、付き合ってもらえませんか」

 人生で初めて自分から好きになった人、そして告白。

しかし、答えは否――

 即答で、それでいて取りつく島も与えない断りの句の理由を、見ず知らずの相手による告白のせいだと思っていた皇は、接点のなかった彼女と接点を作るところから始め、懸命に距離を縮めていった。しかし、告白の返事はいつだって芳しくないもの。

 焦れるのも、しょうがなかった。

 それに、気に入らなかった。

 皇とともに居るときは決して笑顔にならない彼女が、他の者の傍に立つときはそれが自然であるかのように笑顔を綻ばせる。皇だけが、悪い意味で特別だったのだ。


「真剣に好きなんだ。付き合ってくれよっ……!!」

 懇願のような告白。みっともなくてもいいから、情に絆されたという理由でもなんでもいいから、ただ彼女のそばにありたいだけなのに、彼女はその権利を決して皇に渡そうとはしない。

「嫌」

 その一言で切られる皇の気持ち。

 いつもなら告白はここで諦めるけれど、今日は特別だった。彼女が他の男に告白され、返事はまた今度と約束するところを見てしまった後だから。

 何で、自分にだけはそう頑なな態度をとるのか。いつだって、不思議だったのだ。

「……どうして、俺の気持ちをそうまでして否す?」

 皇の問いに彼女は口角だけを持ち上げて「どうして、ですって?」と嗤ってみせた。

 それは、決して皇の望んでいた類のモノではない歪な笑み。


「貴方は、運命や前世を信じる?」

 突拍子もない言葉に黙り込む皇に珍しく饒舌な彼女は続けた。皇にとっては絶望的な言葉を。

「貴方が忘れていても……私は絶対に貴方を赦さない。好きになんか、ならない――」

 彼女の桜色の瞳には、隠しようのない激情が浮かび上がっていた――

久しぶりの投稿です。

そして、大好きな前世モノ(^^♪


……と言いつつも、序章(コレ)しか書いてないので更新はローペースかと……。

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