入学式
(よし、今日から中学生だ。ママチャリも買ったし、通学は問題ないな。じゃいってきまーす)蘭汰は今日から中学生、新しい学ランに袖を通し、弁当を入れた鞄をママチャリの籠に入れた。今日は入学式があり、ワクワクする気持ちを抑えチャリに跨った。学校は蘭汰の家からチャリで20分。家の近くには山があり、峠道をチャリで下って通学する。蘭汰は下る道が大好きなので、通学も一つの楽しみでもあった。そして蘭汰はハンドルを握り、ペダルに足を乗っけて、学校に向かった。___ 四月の初め、桜が飛び舞う中、蘭汰は下り坂を攻めて学校に向かっている。(イヤッフー!!俺は風と一体化している、だがもっとスピードがほしい!!よし、ペダルを全開に漕ごう!!)そう言って、さらにスピードが上がる。普通は恐怖があるのだが、蘭汰はこの道を小学生の頃から使っていて、スピードには慣れているのだ。そして、この峠で一番速いのは俺だと、蘭汰自身は語っている。これまで壊したチャリは数え切れないほど潰したらしい。その中でも有名な話は、蘭汰とその仲間たちが峠を下っている時、蘭汰は突然(ブレーキは前しか使わない)と言って、加速し、カーブの手前で前ブレーキをかけた時、後輪が浮き前輪だけで、カーブを抜けたという話がある。本人は曰く(全てがスローに見えましたね。下るときに前輪のブレーキをかけて後輪を上げる、これはジャックナイフという技なのですが、最高速でのチャレンジは初めてでしたので、緊張しましたね。)このインタビューは地元のローカル新聞の片隅に載ってたらしい。 そんな事を書いてる内に蘭汰は学校に到着していた。そしてなんだかんだして・・・・・ 入学式は終わり、クラスは1-Dに決まった。