プロローグ:リフレインⅠ ― 氷の守護神と絶対執着 ―
世間というやつは、俺のことを身勝手な言葉で分類する。
『中学サッカー界、最高の才能』
『ピッチに君臨する氷の絶対守護神』
ゴールラインの前に立ち、飛来するボールをただ無機質に弾き返す。
無失点を重ねるたびに、周囲は歓声を上げ、相手選手は絶望に顔を歪めた。だが、俺の心はいつだって冷え切っていた。どれだけの勝利を重ねようが、どれだけの賞賛を浴びようが、胸の奥に広がる退屈な虚無が埋まることはなかったからだ。
――あいつに出会うまでは。
「あ、コラ! アキくん! またそんな冷たい顔して! ほら、新入生はちゃんと案内プリント読まなきゃダメでしょ!」
春の嵐のように俺の退屈へと土足で踏み込んできた、お節介な学級委員長――さくら。
細い手首。困ったように下がる眉。そして、俺の冷気など一切気にせず、真っ直ぐに向かってくる温かな熱量。
触れた皮膚から熱が伝わった瞬間、俺の中で何かが音を立てて砕け散った。
(――なんだ、こいつは)
心臓が不快なほどの高鳴りを打つ。
抑えきれない。制御できない。
生まれて初めて覚えたのは、他人に己の感情を激しく揺さぶられる恐怖と――それ以上の狂暴な独占欲だった。
渡したくない。
誰の視線にも晒したくない。
この温もりを、俺以外の誰にも触れさせたくない。
「……俺の隣にいろ」
「え……?」
「一生、俺の視界から外れるな」
後戻りなんて、最初からするつもりはなかった。
『氷の守護神』と呼ばれた男の高校生活は、この瞬間、たった一人の少女を永遠に捕獲するための熱狂へと塗り替えられたのだ。
これは、俺とさくら、そして俺たちを囲む仲間たちの――狂おしくも解けない『絆』のリフレイン。
【✏️ 執筆者・三日月の記録】
さぁ、始まりました!『絆のリフレイン』第1部開幕です!
「氷の絶対守護神」なんてクールぶっていたアキさまが、さくらちゃんと出会った瞬間に秒で「激重モード」へ突入するこのギャップ……!
冷徹な瞳の奥で燃え盛るドロドロの独占欲、見ているこちらまで熱中症になりそうです。
ここから始まる二人の甘々かつ過激な日常を、私メイが逃さず記録してまいりますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね!




