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666  その③

 俺の手は、少女がこちらに振り向いたタイミングと重なって、空振りした。


『あっ!』っと小さく声に出した少女は、走って逃げ出し、俺もそれに釣られて追いかけた。

 だが、足がもつれた少女は転倒し、勢い付いていた俺も覆い被さるように転倒した。

 相手の動きに釣られて動いてしまった――いや、乗せられてしまったのかも知れない。


 本来の予定では、そろそろ暗くなるから危ねえぞって声を掛け、その後の動きを追ってみるつもりだった・・・・・・だがこうなってしまったのも運命だ。


 うつ伏せの少女に馬乗りになった俺は、ジャージの袖の中から滑り出たクナイを右手に取り出し、両手を重ねて振り上げた。


 静まりかえった神社の境内。

 木々の間から差し込む夕日が俺達の側面を紅く染めた。


 今、クナイを振り下ろせばこの悪魔を殺せるだろう。

 でも、本当に振り下ろしていいのか? 『悪魔ではありませんでした』という事実は無いのか? と、俺の心が問いかける。


 高まる心臓の鼓動が、体の中心から末端まで伝播する。

 俺は迷いの中、クナイを握る手に力を込めた。


 両手が震え、心が『止めろ』と叫ぶ。

 

 だが、俺は全てを振り払うように、クナイを力一杯振り下ろした。


 ギィィィン!

 耳を(つんざ)く金属が音が響く。


 その音は瞬時に周りの木々に吸収されると、俺の手には強い反発力だけが残る。


「痛ってぇ~」


 痛みに顔を(しか)めた俺は、左手にクナイを持ち替え、右手をブルブルと振った。

 自然と自分の右手、クナイを突き立てた眼下へと視線が動く。

 そこには、背中の肉と骨を切り裂かれ、奥からこちらを覗く心臓から、拍動の度にビュッビュッと、血を吹き出す少女の姿――ではなく、境内の石畳があるだけだった。


「ぁあ?!」


 俺が突き刺したのは石だった。

 今まで下敷きになっていた少女はどこへ行った?

 その疑問と同時に、あの少女が人間ではないことがハッキリした。

 こんな芸当が出来る人間など、居ない。


 俺は立ち上がると、足を開いて重心を落とし、クナイを右手に持ち直して胸の前、左手は開いた状態で右手の向こうに構えた。

 軍人のナイフを用いた近距離戦の構えにも似ているこの構え、これが明鏡衆の近接戦闘の基本スタイルだ。

 俺は顔、体の向きは変えず、目の動きと音だけで周囲を警戒した。


 視線を感じる――近くに居るのは間違い無い。


 俺は目を閉じると、物音と気配だけに集中し、どの方向から来るとも知れない攻撃に備えた。


「遊んであげる」


 その声は足元から聞こえた。

 俺は即座に気配の先、左斜め下を右足で蹴り上げた――が、空振りして足が高く上がる。


「良い反応速度だね、普通の人間の反応を遙かに超えてるよ」


 背後!


 俺は高く上がった右足を素早く振り下ろして重心を移すと、しっかりと右足に力を溜めて地面を蹴った。

 体を時計回りに(ひね)り、クナイで真後ろの悪魔を切り裂く――が、またしても空振り。

 俺はバックステップで素早くその場を離れると、基本の構えに戻った。


 次はどこに現れる?

 全身に目があるとイメージしながら周囲の気配を探るが、その必要は無かった。

 悪魔は少し離れた真正面に現れた。


 この距離、俺のスピードでは一直線に間合いを詰めても、恐らく当たることはないだろう。

 もっと自分の間合いに入れないとな。

 それに比べて悪魔の方は余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)だ。

笑みを(たた)え、自分の髪を人差し指に絡ませながら、片足をクロスさせた隙だらけのふざけた立ち姿だ。

 だが、このままだと不利なんだろうなと、一瞬頭を()ぎる。

 なら少し戦い方を変えてみるか。


「なあ、あんたは何で人間を襲うのを止めたんだ? 腹が減るだろ?」

「何のこと? 私人間なんて襲って無いよ? お腹が減ったらママのご飯食べればいいでしょ? お兄ちゃんは何で私を襲うの?」


「チッ」


 挑発的な態度と調子の狂う口調で腹が立つが、付き合ってやる。


「お兄ちゃんはねぇ、悪魔を倒すことが仕事なんだよ~」

「え? 私のこと?」

「そうだよ~」

「え~それって殺人でしょ? 警察に捕まるよ?」

「大丈夫だよ~、君を殺しても警察に捕まらないんだ」

「そうなんだ――じゃぁ、悪魔による殺人を止めるために戦ってる悪魔でも殺すのかな?」


 どう言う意味だ? 悪魔同士で争っているってことか?


「それは縄張り争いなんだろ?」

「違うよ、悪魔から人間を守ってる悪魔だよ?」


 デビルマンかよ!

 どこまでもふざけやがって~、悪魔のくせに。

 とは言っても、表情、感情、語調、語意、仕草、どれからも真意を読み取ることは出来ないか――なら、こっちもふざけてやるよ。


「ハンッ! ひょっとして、デビルマンレディーなのか?」

「デビルマンレディーって何? 」

「そりゃ知らねぇだろうよ」

「ふざけてるの?」

「お互い様だよ」

「私――デビルマンガールだよ」

「対応力っ!」

「ふふふ」


 落ち着け俺、ツッコミ入れてる場合じゃ無いし、悪魔の戯れ言に騙されるなって誰かが言ってたよ誰かが。

 しかし、一瞬でネタに対応しやがった、恐るべきアドリブ突破力――って感心してる場合か! 俺としたことが相手のペースに乗せられるとは。


「悪魔から人間を守る悪魔なんて居ないんだよ」

「居るよ」

「居ないよ」

「居るよ」

「居ない」

「居る」

「居ない」

「居る」

「居ない」

「居る」

「居る訳ねぇ」

「居る」


 こちらの苛立ちを余所に、悪魔は表情を全く変えずに言い返してくる。

 こんな水掛け論ラリー、気が付きゃ壁打ちになっちまってる。


「じゃぁ証明しろ」

「どうやって?」

「これを受けて証明してみせろ!」


 俺はヤケクソで、クナイを突き出して見せた。


「分かった」


 悪魔の意外な反応に戸惑ったが、自分で言ってしまった以上腹を括った。

 直線的な攻撃であるほどカウンターは容易い。

 故に罠である可能性は高い。

 従って、これはお互いの信頼関係、又は信用を得るための行為だと言える。


「何やってんだ俺は・・・・・・」


 俺はフゥと一息吐くと、一直線に突進して間合いを詰めた。

 絶対に当たらないと確信しながら――。


「だぁぁぁぁぁ!」


 だが


 悪魔は避けなかった。


 クナイの先は悪魔の胸に刺さり――止まっていた。

 悪魔に止められた訳ではなく、俺の意志で止まっていた。


「避けなかったな・・・・・・なんでだ?」


 クナイを伝って黒い血が滴り落ち、薄闇に包まれた地面を更に黒く塗った。


「お前が証明しろと言ったからな。どうだ? 話を聞く気になったか?」


 少女の口調は鳴りをひそめ、淡々としたものに変わった。


 俺はクナイを抜き、袖の中に仕舞った。

 その直後襲われる可能性もあったが、相手が約束を守った以上、俺は話を聞かざるを得ない。

 悪魔は俺が落ち着いた所を見ると、自分の唾液を手に取って傷口に塗り、服ごと傷を塞いだ。


 俺は平然を装ったが、垂れ下がる鼻水を止めれなかった。


「私はココウ、君の名は?」


 話を聞く約束だったな、ココウか・・・・・・どこかで聞いた響きだ。


「俺は采六だ」

「サイロクか――君は魔狩勅だな?」


 魔狩勅のことは知ってるのか。まぁ、悪魔からすれば当然か、自分たちを殺そうとする集団で、言わば天敵だしな。


「ああそうだ」

「――で、私を殺すために来たんだな?」

「ああ、だがその前に教えてもらおうか、悪魔から人間を守る理由をよ」


 理由を尋ねてみたものの、それを聞いて見逃すことは無い、ただの興味本位だ。

 それより問題は、さっきの機動力と回復の早さだ、封じようにも生憎と何にも浮かばない。

 もっと考える時間が必要だ、時間を稼ぐには話を引き延ばすべきだろう。

 無駄に色々質問して、対策を思いついたら奇襲攻撃を実行する。それで決まりだ。


「簡単なことだ、私は人間が好きだからだ」


「ぶっ殺す!」


 俺はクナイを振り上げた。


「待て待て、今から説明する、気の早い男だな君は」

「ふざけるな、俺はてめぇを殺しに来てるんだぞ?」


 俺は怒りに我を忘れ、時間を稼ぐことなど、()うに記憶の彼方だった。

 まさか、『人の世に愛がある』とか、『この美しいモノを守りたいだけ』だとか言い始めるんじゃねぇだろうな?


「分かった分かった、だが本当にそうであり、そのことが理由で魔界を追われて人界に来たのだ、話は結果から話した方が分かり易いかと思ってな、済まなかった」


 慌てた様子のココウは、事を荒立てないよう両手を前に出して俺を(なだ)めると、頭を下げて謝った。

 人間が咄嗟に行う仕草にも見えるが、頭を下げると人間は許すと思ってるのかもしれないし、頭を下げることはただの動作に過ぎず、何も意味を持たない可能性だってあり得る。悪魔だからな。


「私は元六魔大元帥の1人でな、今は魔族から追われる身だ。人族を敵に回しても自分の首を絞めるだけだろ?」


 それが本当ならそうだろう――って、六魔大元帥? ココウ? はて、どこかで聞いたことがあるような、有名人――いや、超有名な悪魔だったような・・・・・・


「あ・・・・・・あんた・・・・・・ま、まさか、ココウ・ヨサキィか?」

「ふふふ、よく知っているな、流石は魔狩勅と言った所か」


 そんな大物が――お(とぎ)(ばなし)、口伝、伝説レベルの悪魔がこんな所に居る訳が無い! 

 しかも六魔大元帥って、魔界屈指の最強6悪魔だ、これがゲームのガチャで引いた激運だったら嬉しいのに、現実には悲運としか言いようが無い。

 たしか・・・・・・【運命のココウ】だったな。

 時間すら操ると言われている存在――本物なら俺なんかじゃ、いや、人間じゃ太刀打ち不可能だ。


 俺はココウを見つめたまま震えが止まらなくなったが、さっきまでの震えとは意味が変わった。


「大丈夫か? ふふふ、私の正体が分かった所でどうする? もう一度クナイで刺してみるか? 次はお得意の【月鋼クナイ】でも良いぞ? 対悪魔武器なんだろ?」


 例え月鋼クナイで刺しても、ノーダメージなのは明白!


「まぁそれはさて置き、話の続きなんだが――」


 さて置ける訳がない俺は、ここから逃げ出す方法を模索していた。

 だが同時に、本物かどうかの判断も頭の中で行っていて、ココウの話しは耳に入って来なかった。


「私は当時、魔界の・・・・・・」

「あぁぁぁ~どうすりゃ――いやいや、ちょっと・・・・・・」


 俺は身悶えながら、心の声が漏れていることにすら気付けなかった。


「サイロク? ちょっと、サイロク? 話し聞いてる?」

「もし、そうだとしても――・・・・・・」


 ココウは息を吸い込むと目を閉じ、ゆっくり目を開くと、般若の顔でこう言った。


「この世に耳だけ残して旅立つか?」


 ココウの殺意が言葉に乗ると、ヴォンと音を発して波動となった。

 波動は波紋の様に広がり、まるで凍てついた空気を創りだす。

 当然俺も凍ったように停止した。


「話し――聞いてくれる?」

「はい」


 ココウの表情が戻ると凍てついた空気が和らぎ、ほのかな暖かさが戻った。


「ところで、サイロクは六魔大元帥の役割についてどこまで知ってるんだ?」


 ここは慎重に言葉を選ばないと、返答次第で俺の命の行方が決まる気がする。

 俺は襟を正し、正座した。


「実はあまりよく知りません、六魔大元帥は魔界で最強と(うた)われる6人の魔族の方ってこと程度です、ハイ」

「そうか、先ず、基本的な考えとして、魔族は強者に発言力があってね」

「はぁ~、ってことはココウ様の発言力は凄まじいでありますね~、サスガッス」

「元々私達六魔大元帥は領土を巡り争いあっていたのだが、天族の魔界進攻が切っ掛けとなり、お互い不可侵として6つの国を創り、国同士協力し合って防衛することで合意してね」

「ははぁ、魔界には6つの国があり、その代表が六魔大元帥様なんですね? それは存じ上げませんでした」

「六魔大元帥は、魔界全体で動かなければならないような事案があれば、その都度提案者の元に集まって会議を開いていたのだが」

「へぇ! 会議を、左様でございますか、はぁ~会議をねぇ」


 ココウは急に押し黙ると、俺を冷ややかな目で見つめた。


「へっ?! あ、あのぅ~、何か?」


 しまった、何か気に障ったらしい。

 俺は急いで揉み手に笑顔を作って取り繕ったが、どうしても口角のヒキツリを押さえることが出来ない。

 俺の脳裏には、消えかかった命のロウソクの炎が風に煽られ、芯に必死にしがみついているイメージが浮かぶ。

 こんな所で人生を終えるんなら、もっとしたいこと一杯やっときゃ良かった気もするが、今それを思い出しているどころじゃ無い、思い出すのは走馬灯の時で十分だ――でも、そろそろかもね、走馬灯。


「サイロク、君は何か勘違いをしているようだね」

「ひぃっ!」


 詳しいことを話すってことは、最後に殺されるってことだったか――さらば愛しき日々よ、もう戻れない。南無阿弥陀仏、阿耨多羅(あのくたら)三藐三菩提(さんみゃくさんぼだい)、アーメン、オーメン、冷やオーメン。


「あのねぇ、私を天敵やカスハラ客のような目で見るのを止めてくれるかな? 取って食いやしないから」


 信じられる筈も無し・・・・・・けど、本当だろうか?


「――本当ですか?」

「ああ」

「全部話した後に、全てを知った貴様を今から殺すとかってことでは無いですか?」

「ドラマの見過ぎだ」

「本当に?」

「無い」

「絶対?」

「くどい」


 さっきと同じ水掛け論だ。だけど今度は殺されるかもしれない。

 そうだ、さっきと同じ様に、お互いの信用を確かめ合おう。


「じゃ、じゃぁ、にぱぁって笑ってもらえますか?」

「にぱぁ?」

「はい」


 ココウの動きが一瞬、完全に止まったが、次の瞬間、決意の色が窺えた。


「分かった・・・・・・(にぱぁ)ちょっと鬱陶しいけど、殺さないよ♥」


 ココウは曇りの無い笑顔と可愛らしい口調で答えた。

 可愛いい。

 好感が持てる。

 信じることにしよう・・・・・・でもちょっと鬱陶しいらしいから気を付けようね。


「君の普通で話せ、対等の立場として」


 口調が戻った。

 さっきの方が良かったな~なんて思ってしまう自分が居るが――さて、対等の立場とは、どんなだったか――普通とは? 思い出せないが、やるしかない。


「お、おぅ、ココウの話しを聞こうじゃねぇか」

「ふふふ、良いだろう」


 ココウは淡々と話し始めた。


 ココウが六魔大元帥だった頃、天族の進攻が激しさを増し、魔界の各国は対応を急がされていた。

 だが、どの国の大元帥も降伏という選択肢は無く、徹底抗戦の姿勢であった。

 

以前から人界へと赴き、人族へ関心を寄せ、魔界の将来への希望を見いだしていたココウは、人族と協力し合い天族に対抗する考えを、他の六魔大元帥に示した。

 しかし、『人族は神族の手下だ』『脆弱で愚かだ』『逆に弱体化する』『興味無い』と否定的な意見が多く、合意は得られなかった。


 そんな状況ではあったが、既に一部の人族と接触を持っていたココウは、直向(ひたむ)きさ、探究心、成長力こそ魔界を救う鍵であると疑わなかった。

 ココウはその後も、悪魔と戦う知識と術、魔力の存在を教えることで成長を促していた。


 ところが、そのことを利用して、のし上がろうと画策する者が現れた。

 当時、ココウの片腕であった、【ダールー】である。

 ダールーに裏切られたココウは、人族と結託し、魔界を支配しようと目論む裏切り者として魔界を追われた。


「と、まぁ、簡単に言うとこうだ」


 信憑性は定かではないが、もし全てが本当なら人類の敵では無い。


「要するに、人間の肩を持ったことでダールーに()められて、人間界に来たってことか」

「そうだ」

「でもココウは最強って呼ばれるくらい強かったんだろ?」

「ああ、だが追っ手の中に最強の1人が居たんだ。当時の私は弱体化していたし、ダールーはそのことも知っていた」

「他の六魔大元帥が居たってことか?」


 ココウは黙って頷いた。


「デュミナ・V(ヴラド)・ドラクル。ヴァンパイアの原血種の1人で、その当時、六魔大元帥の1人だった女でな、ダールーに(そそのか)されての行動だった」


 デュミナ・・・・・・俺は思い出した、六魔大元帥とは、ココウ、デュミナ、タジフ、ボゾン、バップ、ゴメゾラスだったことを。


「何で弱体化してたんだ?」

「それはサイロクが良く知っているかもしれない、明鏡衆ならな」

「ああ、俺の一族は明鏡衆だ。何でも知ってるんだな」

「やはりそうか。ふふふ、私の運も(あなが)ち悪く無い」

「何のことだ?」

「よく考えてみてくれ、私が関わって生まれた一族だ、私が残した繋がりのことが分かる筈だ」

「そうなのか?」


 俺は目を閉じると眉間に皺を寄せて腕を組み、悪夢にうなされるようにゆっくりと身悶えた。

 六魔大元帥の弱体に関わるような大きな出来事・・・・・・私が関わって生まれた明鏡衆に残された繋がりか・・・・・・


「分からん。繋がりって何だよ、ん? ――ちょっと待て、私が関わってって言った?」

「ああ。そうか、分からないか、そうかもしれないね」

「違う違うっ! 明鏡衆の設立に関わってたのか?」

「そうだよ。だから伝わっているかとも思ってな」

「明鏡衆の設立って言やぁ1500年頃だよなぁ・・・・・・」

「そうだね、西暦1500年頃、戦国時代と言われている頃だな」

「今が2025年だから、525年前って、あんた歳幾つなんだよ!」

「おいおい、女性に年齢を聞くなと教わったことは無いのか?」


 ココウは無表情だが、逆に怒りを抑えているように見える。

 忘れてた、今置かれている自分の立場を。

 俺は地雷を踏んだのだろうか? サヨナラだろうか?


「冗談だ、先ずはこう言っておこう、会いたかった――と」



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