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第1章:物語の始まり

焚き火のはぜる音が、リカルドのしわくちゃの顔を照らし出していた。彼は木製の椅子に腰を下ろし、好奇心に満ちた目で彼を見つめる孫たちに囲まれていた。夜は静かで、虫の声や風が木々の間を通り抜けるかすかな音だけが響いていた。


「さあ、準備はいいかい、小さな者たち?」と、彼は擦り減った歯を見せながら微笑みかけた。孫たちは期待に目を輝かせてうなずいた。「すべてが始まったのは、私がまだ若く、君たちのような年だった頃だが、その頃は今とはまったく違っていたよ。」


リカルドは記憶に浸り、黒髪で大胆な心を持っていた若かりし自分を思い出した。「それは暑い夏のこと、私は村の畑で、日の出から日暮れまで働いていたが、いつも周りを探検する時間を見つけていた。ある日、いつもより遠くまで足を運んでいたとき、風がまるで私を呼んでいるかのような奇妙な感覚を覚えたんだ。」


彼は一息つき、孫たちがその場面を想像できるように間を取った。「森へと足を踏み入れ、木々の間で影が踊るのを見つめていると、そこに現れたんだ。輝く光に包まれた、威厳に満ちた姿が。ケツァールの羽をまとったマヤの神で、その光が周囲を照らし出していた。」


孫たちは目を大きく見開いた。「神は私を見つめ、その声は雷鳴のように私の心に響いた。『大地の子リカルドよ、私はお前を求めてきた。他の世界を脅かす大いなる災いがある。お前だけがそれを止められるのだ』。その時は何を意味しているのか分からなかった。ただのマチェテを持った若者だったが、神のまなざしが私に勇気を与えたんだ。」


リカルドはあごをなで、その時の驚きと恐れを思い出した。「神はマチェテを差し出したんだ。それもただのマチェテではなく、神聖な武器だった。『このマチェテで闇の生物に立ち向かえ』と言われたんだ。私は迷わなかった。その呼びかけを受け入れた瞬間、すべてが変わった。」


「それからどうなったの、祖父ちゃん?」と、ひとりの子供が待ちきれずに質問した。リカルドは微笑み、その問いかけに応えた。


「気が付くと、見たこともない場所にいたんだ。鮮やかな色彩と見たこともない生き物があふれる世界、そして空はどこまでも広かった。家から遠く離れていると分かったが、恐怖とともに不思議な興奮も感じた。使命があると分かっていたんだ。」


彼の言葉をひとつ残らず吸い込むように、孫たちは一層身を乗り出して話に夢中になっていた。「こうして、あの不思議な場所での冒険が始まったんだ。悪魔や伝説でしか知らないような生物たちと戦うことになるとは思わなかったが、マチェテを手にし、心に勇気を抱いて、私はその世界を救い、故郷に帰るために準備を整えていた。」


リカルドは少しの間言葉を止め、孫たちの反応を見た。「さて、よく聞いてくれ。ここから先は、信じられないほどの話が始まる。だが信じる者には、語り継がれる価値があるんだ…」


そう語り終え、リカルドは目に輝きを宿し、彼を聞く者たちの人生にも影響を与えるような冒険の物語を語り続けた。



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